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｢公園…？｣
｢おん。嫌やったか？｣
｢ううん｣
どこか一緒にという連絡だったので勝手に室内を想像していたあなた。
希ならもっとこう、洒落た感じの場所で食事をとったり遊んだり、そんなイメージが彼女の中では定着しつつあった。
そのため昔よく2人で一緒に遊んでいた公園をチョイスしてくるとは思ってもなかったのだ。
｢覚えとる？ここでよく遊んどったこと｣
｢うん覚えてるよ｣
｢……すっごい楽しかったな。泥まみれになって2人で俺ん家行って怒られたこととか｣
｢かくれんぼして、俺が暇だからって草むらで寝てたら鬼のお前がいなくなったって泣きながら俺のこと探して｣
｢ほんま今じゃできんこと、たくさんしてたわ｣
｢ほんとにそうだね。なつかしい｣
彼女の目に映った彼の顔はなんだか悲しそうに見えた。
まるであの時、ひどくフラれた彼女のような顔。
なぜ彼がこんな顔になっているのか、なぜ突然昔の話をし始めたのか、なぜこの場所を選んだのか、なんとなく察してしまいそうな彼女がいた。
｢なあ｣
｢なに｣
ふと見た彼の瞳がゆらりと動いた気がした。
｢あなたは俺のこと嫌いか…？｣
彼女の口が動くよりも早く彼の言葉がのしかかった。
｢ごめん訊くまでもないな｣
"どうしてゾムが泣き出しそうな顔をしているの
泣きたかったのは私のほうだったのに"
喉まで来ていたその言葉はなぜか出ようとはしてくれなかった。
｢嫌いに決まっとるよな。あんな言い方してフる奴なんて今更好きになれんよな｣
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作者名：クリーパソ | 作成日時：2023年3月25日 17時
