【d!】拗らせ系幼馴染とたらし系先輩 (ページ15)

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｢じゃあなお前ら｣

｢またなシッマ｣

わしゃわしゃとまるで犬を撫でるかのようにあなたの頭を撫でる捏島。
彼は意外と気遣いができるようで先程の会話でも初めこそは鬱島と話していたが途中からあなたに話しかけ学校での出来事を楽しそうに3人で話すような形にもっていった。

昔から変わっていない彼の性格になぜかあなたはほっとした。
きっと希と比較してしまったのだろう。

そうこうしているとあっという間に彼女の家に着いていた。
鬱島は放課後、彼女と出かけては家まで送って行くのが習慣となっていた。

｢鬱島先輩、毎回ここまで送ってくれてありがとうございます。今度お礼させてください｣

ぺこっと鬱島に向けてする礼。
鬱島にはそれがなぜか愛おしく感じてしまう気がした。

｢全然ええんやで。俺が好きでやってるからな｣

でも、と少し申し訳なさそうにするあなたを鬱島は見逃さなかった。

｢じゃあさ僕のこと鬱先生って呼んでや｣

｢……わかりました｣

彼女が少し嫌そうにしていたのは、年上には敬語を欠かさないという謎のプライドがあったからだった。
鬱島はそこまで察しがついていた。

｢ありがとう、嬉しいわ｣

別れを告げするりとあなたの頬に手を添えた。

困惑する彼女の声の後に続いたのはリップ音だった。