オリンマリス ページ31
シ「名前までは知らないだろう？
白雪君」
白「シダンさん……！？
ど、どうしてここに？」
シ「……君らこそ、こんなところ
誰も来ないのによく見つけられたね
あてがあるらしいってユズリ君達が
言ってたけど」
貴「オビ…彼に考えがあったので」
シ「宮廷薬剤師は色々
頼れるのがいるなあ…」
オ「いや俺は宮廷薬剤師じゃ
ないですけどね……って」
私も違いますけどね
白「シダンさん!?」
シダンさんは急に座り込み出した
シ「大丈夫大丈夫。病じゃない」
オ「お嬢さん、A嬢
のんびりしてられない
よくわからんけど行こう」
シ「いやいや待ってくれ青年」
私と白雪は苦笑していた
シ「────…東の大陸よ山奥でのみ
見つかったと記録される植物と…
そう書かれていた」
白「…!?」
シ「こんな雪の深くなる地ではなく…
誰かが持ち込んだか遺棄したか…
ここにある理由はわからない
私がこの洞穴を見つけたのも、ただの
偶然だった。調べても調べても
わかったのはせいぜい名前と先に
言った事くらいだ」
そしてシダンさんは種を見つめた
シ「クラリネスでは知られてさえいない
灯りの植物、これならばと思ってね…
一年前から私はこのオリンマリスの
生態研究をしているんだ」
白「え…!!!」
シ「冬にこうして、わずかに
光る種をつけ集まりこんな光を見せる
けど言うものに参ったもんだ
毒素を作るとは知らなかったな…」
白「……この植物、オリンマリスの種は
途中の雪解け水の流れの中では
光ってさえもいませんでした」
貴「この場所から落ちて流れ出た
先の洞窟で地熱によって温められた水に
浸かった事で毒素を出し、光の成分も
溶けだし…それが
光の霧になってしまったんです」
オ「へー…」
シ「───白雪君、ウィリア君
この場所の事は報告しないでほしい!!」
白貴「「……!!」」
シ「今回のような事は条件が
重ならなければ起こらない。今後対策も
うてるだろう、だが病の原因の
植物なのだと初めに記録されれば…
もう国に広める事は出来なくなる
オリンマリスが見せてくれるかも
しれない景色を…私は諦めたくない
このリリアスや白銀の道々にこの灯りを
咲かせる事が出来れば…それは
鮮やかな花も同じだろう」
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作者名：かっちゃん | 作成日時：2020年1月10日 17時
