恋人はサンタクロース［4］ ページ11
◇
「それ、ファンの前で言ったらほんと怒るから。
再放送も大事だから！」
力強く話す私を、彼は笑いながらわかったわかったといなすと
「ほら今からは大人の時間。俺をキミのものにしてもらおうかな」
艶っぽく言ってきた。
「え…ど、どうやって…？」
自分で願ったくせにいざどうぞと言われると具体的に何をすればいいのか考えてなかった。
「Aの好きなようにしていいよ」
「え…えっと、どうしようかな…あ、じゃあ、ぎゅっと私が抱きしめてもいいかな？」
「どーぞ」
彼の背中に手を回し自分の方に引き寄せる。
しばらく健人くんを抱きしめて彼の体温にほっとして腕を解くと、自由になった彼がこちらに体重をかけてきた。
そのままソファに倒れ込むように押し倒され首すじにいくつもキスを落としてくる。
「ん、健人くん…」
少し起き上がった彼と目が合う。
当たり前にこの熱っぽい瞳を向けられるのは付き合うようになってからだなと思い出した。
「こんな健人くん見られるの、私だけだね」
「お、気づいた？」
と笑う。
組み敷かれた下から彼の前髪に触れる。
「あとこんな触れるのも」
「そうだね。願いは叶った？満足した？」
「うん」
こくっと頷く。
「じゃあ俺の番。俺の願いも叶えてくれない？」
「それはもちろん…健人くんのお願いは何？」
「Aを俺のものにしたい」
「あ、それは…抱きしめてくれる感じ？」
自分がそうしたように、健人くんもそうなのかと思って尋ねたが
「はは。俺がそれだけでは済まないのわかってるだろ？
ベッド連れてくよ？」
私の返事を待たずに抱え上げられた。
慌てて彼の首に手を回し、
「えっと…私のこと好きにしていいから」
健人くんが私に言ったように、私もそう伝える。
「A、今の俺にあんまそういうこと言わない方がいいと思うけど？」
「でも健人くんは私にさっきそう言ったよ？」
「俺とAじゃ、好きにするっていう言葉から考えることが全然違うから」
「そう、なの？」
ベッドにゆっくり降ろされた。
「Aといる時の俺は、王子でもアイドルでもないただの普通の男ってこと、忘れんなよ」
彼がのしかかる重みでベッドのスプリングが跳ね、私の首元のダイヤがシャランと揺れた。
◇恋人はサンタクロース Fin◇
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にこ(プロフ) - らららさん» 健人くんのクリスマス好きのせいでアフターメリクリが市民権を得てますね笑❤️くんは番外編を読みたいという声があって書いたので、好きなお話だったとお墨付きを頂き安心しました〜私も主題歌絶対可愛いの来てほしいです！！お話更新、がんばります！ (12月27日 12時) (
レス) id: aba4acfcad (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - エコさん» ささやかではありましたが楽しんでもらえたようで私も嬉しいです♡本編リピートまでして下さりありがとうございます！しかも最高とまで…☺️これからも気に入ってもらえるお話がお届けできるよう頑張ります！コメントありがとうございました！ (12月27日 12時) (レス) id: aba4acfcad (このIDを非表示/違反報告)
ららら(プロフ) - にこさん、アフターメリクリ😂お話全部読みました！どれもキュンとしましたがあえて言うなら、じんわり温かい愛が伝わってくる❤️くんが好きです。松永さん楽しみですね！かわいい主題歌来ないかな〜来年もにこさんのお話楽しみにしてますね。 (12月26日 19時) (レス) @page22 id: bfbf98f4de (このIDを非表示/違反報告)
エコ(プロフ) - にこさん、アドベントカレンダー形式の素敵なXmasプレゼントありがとうございました！本編が特に大好きなお話ばかりだったので、リピートした上で今回のメリクリ番外編を堪能させて頂きました。んー！最高♡連載中のお話も構想中のお話もずっと楽しみにしていますね！ (12月25日 21時) (レス) @page1 id: 5cc8ec5019 (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - らららさん» 鷲掴みだなんて嬉しい限りです。いや、なんとなく自担だけかなぁと私が思っているだけです。らららさんは全員読んで下さってますよね。いつもありがとうございます😊今回は超短編ですが楽しんでもらえると嬉しいです♡ コメントありがとうございました！ (12月23日 19時) (レス) id: aba4acfcad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にこ
| 作成日時：2023年12月22日 15時
