身の丈:kazuki ページ43
「治らないのか、」
今まで発症していなかったから、大丈夫だと思っていたけど、
このままじゃ、和輝に迷惑がかかる。
だから、突き放さなきゃ
「ねぇ、和輝」
貴方はさ、
「私はさ、」
あたしなんかより、もっと可愛くて、オシャレで、
「貴方なんかより、もっとかっこよくて、紳士で」
病気なんか持ってない女の人の方がいいの。
「もっと売れてる男の人の方がいいの」
そうだ、この前あった綺麗な女優さんなんでどう？
「そうだね、この前あった俳優さんなんてどうかなって」
お似合いだよ。
「お似合いでしょ？」
「だから、身の丈にあった人、探しなよ。」
そう言って笑うと
和輝は酷く悲しんだ顔をした。
ごめんね、和輝。
大丈夫、貴方なら売れる。
絶対成功するから。
他の誰かに取られるなんて、
そんなの本当はすっごく嫌だ。
私から突き放したくせに何を言ってんのか。
でも後は死を待つのみ。
残りの寿命を病室でひび数えていく中
沈みゆく夕日が名残惜しく感じた
あぁ、
そうか、
死ぬのが怖いんだ。
日常の中の些細な事で死にたいだなんて言っていた自分が馬鹿らしく思えた。
さっきまでの威勢はどこへ行ったのか
もし叶うなら、まだあなたといたいと思った。
けどそんなこと叶うはずもないから、
薄れゆく意識の中願ったのはあなたの幸せだけ。
「ねぇ、和輝。……幸せになってね……」
気がつくと白い空間に、
同じ病気を持ち早くに亡くなっていった兄といた。
「お兄ちゃん…… ？」
「アヅナ、まだ死んじゃダメだよ。」
「まだ、あの人が待ってる。」
「兄ちゃんの分まで生きてくれ。」
その瞬間
体を強く締め付けられたかのような感覚がしてきた。
和輝…………？
新井「ごめんな…アヅナ、オレ知らなかった。」
新井「だからさ、もう一度、オレに笑いかけてくれ。」
「……だから、あたしなんかより、可愛い子探しなよって言ったじゃん。」
新井「アヅナ！！！！！」
「もー、目、腫れるよ？」
涙を袖で拭く
新井「よかった、本当によかった。」
「……あたしでいいの？」
新井「身の丈にあった人を探すんでしょ？」
新井「オレの身の丈にあってんのは」
今までも
これからも
新井「アヅナ一人だよ。」
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1106(プロフ) - yu_kaさん» 頑張りましょーーー！！！ (2020年3月6日 15時) (
レス) id: a6c9e7856a (このIDを非表示/違反報告)
yu_ka(プロフ) - 1106さん» 嬉しいぃぃ！！！私も1106さんのファンなので、無理なくお互い頑張りましょう！！ (2020年3月5日 14時) (レス) id: 8970bec26b (このIDを非表示/違反報告)
1106(プロフ) - yu_kaさん» 本当に話の内容とかすっごい好きです。無理せず更新頑張ってください！ (2020年3月5日 12時) (レス) id: a6c9e7856a (このIDを非表示/違反報告)
yu_ka(プロフ) - 1106さん» こちらこそまさか見ていただけているとは・・・！！すごく嬉しいです（照） (2020年3月1日 21時) (レス) id: 8970bec26b (このIDを非表示/違反報告)
1106(プロフ) - yu_kaさん» yu_kaさん……？！ふぁぁぁぁ！！！！いつも見てます！！めちゃくちゃ好きです！本当に嬉しいです(泣)リクエストありがとうございますぅぅぅ……！！ (2020年3月1日 20時) (レス) id: a6c9e7856a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：1106 | 作成日時：2020年1月29日 2時
