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file 5 コケたの?プークス ページ7

「え?今日?」

「そうなの、何か予定あったかなぁ」


時は放課
帰宅のため教科書を鞄に詰め込んでいた私に「突然ごめんねー」と声をかけてきたのはそう
蘭ちゃんである

新一くんもそうだが
彼女もまた付き合いが長いとはいえ、その関係性はいわゆる"よっ友"

なので蘭ちゃんの言う通り、予想がついていたとはいえ唐突で驚いてしまった。

あれから一週間も経ってたしね
もうこのまま接触なく過ごすのかとも思って寂しかったわ


いったい何と言って私を呼び出すよう彼女を説得したのかな、あの探偵は


「特に何もないけど
どうしたの?蘭ちゃん。話すのも久々じゃない」


そこ、わざとらしいとか言わない


「田中さん、昨日の登校中に転んだ小学生の男の子を助けなかった?
私の家今週から知り合いの親戚の子を預かってるんだけど、その子がお礼を言いたいって言うから」


無難かよ
もっとひねりなさい


「あー、あの子ね。眼鏡と蝶ネクタイの」


イイヨー、と答えた私の隣で顔をほころばせる蘭ちゃん
聞けばその男の子は丁寧に接してくれた"優しいおねぇさん"にどうしても会いたかったのだと


こっわ
想像できるし怖い

どんだけ猫かぶってんだ。


「私は今日部活あるから、ちょっと田中さんだけで行ってもらうことになるんだけど大丈夫かな?
ほら、うちの事務所の下に喫茶店あるでしょ。あそこでその子が待ってるから!」

「あ、うん。部活がんばってねぇ」


って言って学校出たのが数十分前

彼女の父親である毛利小五郎はこの世界において第3の主要人物
毛利探偵事務所の位置は当然抑えてある

これまでまだ目立った活躍はしていないので、あんまり人の目には留まらないんだけど


「いらっしゃいませ」

「待ち合わせなんですけどー」


登下校に毎日、前を通りはするけど入ったことはなかった喫茶ポアロ
入った瞬間から珈琲の上品な香りがした。これは通いだな

この人、確か梓さんだよね。上の名前は覚えてないけどつか知らねぇか
うわぁ初めて会ったよ嬉しいこんな綺麗な人なの

笑顔で中へ通してくれるのに会釈をして店内を見渡すと
窓側のボックス席でこちらに手を振っている彼を見つけた。


「やっほー。すっころんで優しいおねーさんに助けられた新一くん」

「はは、仕方ねぇだろ。思いつかなかったんだから」

「え?探偵なのに?」

「おい」


席に着くと梓さんが注文を取りに来たので、新一くんの分と2つコーヒーを頼んだ。
小学生に払わせるわけにはいかないもんねぇ、って言ったら顔ひきつってたの

あー可愛くない

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作者名:ぽんかん | 作者ホームページ:ありません  
作成日時:2019年2月19日 4時

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