file 4 変態おやじ ページ6
あー…
そうだよねぇ
あなたはいろんな意味でジンのお気に入りだものね
とばっちりはソッチにいってると
「…面目ない」
「ま、いいけど
彼もきっと、弟のように思ってるあなたが最近反抗期気味で寂しいんでしょ
昔からだけど、ほんと気まぐれなんだから」
私が組織に入ったのは十数年前
物ごごろつく時から組織にいるシェリーとの歳の差は僅か
歳が近く、長く一緒にいたことから私たちはとても仲が良い
もちろん彼女の姉、明美さんとも
階級が違う、任される仕事の種類も違うもんで
名前をもらってからは全然会えていなかったからか、今日の彼女はスキンシップ過多である
…会わないようにしてたってのもちょっとあるけど
明美さんの事があって彼女が組織から逃げ出すまでもう少しだし
流れは知ってるもんだから、ちょっと気まずい
「じゃあ、私はこのまま研究所に戻るわ
気をつけて帰りなさいよ」
「はい、ありがとうございます
またお茶でもしましょうねぇ」
「…そう言うならその妙な笑顔やめなさいよね」
「そんなこと言ってー…シホちゃんもなかなか表情筋死んでンム」
突然私の唇へ
マスク越しに押し当てられた彼女の細い人差し指
咄嗟に口をつぐんで目の前の顔を見下ろしてみれば、少し顔を赤らめて私を睨みあげる顔があった。
んんっナニソレ可愛い
キョロキョロ周りを確認して下っ端が皆はけたのを確信した彼女はあとは任せたからと言い。白衣を翻して重々しい扉の向こうへ
それにより街灯の光も遮られ、天窓から差し込むほのかな月明かりだけ
大きな屋敷独特のこもった空気
木や布の香り
人気は全くなくて、春先の冷えた廊下にゾクッとした。
彼女の言う“あと”とは
最終確認のうえ痕跡を消去、調査物件の完全なる施錠
「だからいつもひとりだけ帰り遅くなるんだよねぇ…」
コードネーム持ちの中で1番歳下だから仕方ないんだけど
私、現役高校生
労働基準法はどこですか?
バイトでもこんな遅くまで働かせられないよ〜?
手先が特別器用な訳では無いのだけど
なんだってこうもこき使われるかねぇ
裏戸口から出てピッキングで施錠
なかなかに鋭い彼のことだもの
ひとつの歪みもないように何十も確認して慎重に鍵を閉めた。
保険として離れたところに置いたバイクを取りに行く道中、シホちゃんと初めて会った時のことがフラッシュバックする
アメリカから日本に渡ってすぐだったっけなぁ
逃げよー、って最後に抵抗したのも虚しく捕まっちゃって閉じ込められてー
慰めてくれたシホちゃんいなかったら人間もっと終わってたって
file 5 コケたの?プークス→←file 3 おうちが大好き
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ぽんかん(プロフ) - さちさん» 長く更新を止めていてすみません 執筆頑張ります! (2019年3月29日 0時) (レス) id: 63034df575 (このIDを非表示/違反報告)
さち - おもしろかったです。続きが気になりました。よろしくお願いします。 (2019年3月28日 18時) (レス) id: 10b64abb1f (このIDを非表示/違反報告)
ぽんかん(プロフ) - のん@天使から墮天使のウオタミ(?)さん» 読んで下さりありがとうございます なかなか筆が進みませんが、がんばります! (2019年3月18日 1時) (レス) id: 63034df575 (このIDを非表示/違反報告)
のん@天使から墮天使のウオタミ(?) - 四字熟語が、題名な作品は見たことが無かったので、新鮮さを感じました!これからも頑張ってください!応援しています!(#・∀・)♭ (2019年3月10日 17時) (レス) id: 5bc91f0494 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんかん(プロフ) - あお果実さん» 他作品含め読んでいただいてありがとうございます。お心遣いとても嬉しいです 執筆がんばります(*´∀`) (2019年3月6日 2時) (レス) id: a9e8a7b60c (このIDを非表示/違反報告)
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