file 41 帰りたぁい ページ43
「まーったくもー
本番はこれからだってのに」
疲労感がひどいったらない
シティホテルの前で壁に背中をあずけ一服ふかすと、メールの送信ボタンを軽く押した。
監視はあの男がホテルに入るのを見届けるまでなので私はもうお役御免
次のために移動しないとなんだよねーだるー
ロータリーに入ってきて目の前に止まったポルシェの中を伺うと、私はタバコを携帯灰皿に押し込んでその後部座席に乗り込んだ。
「ハッずいぶん情ねぇ顔してるじゃねぇか
さすがに組織No.1の
「はは、いいえー？これまでにもっとハードな仕事もありましたし、全然。全くー」
明美さん始末の事言ってんだろーなぁこいつ
こっちがわかってるのをわかってて言ってるあたりそろそろその口針金で縫い合わせてやろうか
街灯の光が次々後ろにすっ飛んで行く
きらびやかな街並みは車が走っていくうちに段々と寂しげになってきた。
郊外へとしばらく走れば工業地帯
あっという間に貨物港へ着いてしまう
あーあｧ、着いちゃったぁ
港出入口からほんの少し離れたコンテナの裏に車を停めると、ジンは私たちに降りるよう促した。
そのひどく歪んだ口許がむかつくんだよ
「アニキ、宮野明美と連絡が取れましたぜ
もうすぐそこまで来てるそうで」
「ああ、行くぞ
テメェは上で待機だ」
ジンはくいと顎でコンテナの上を指し私に短く「行け」と言ってきたもんだからイライラもつのるつのる
超笑顔で「了解でーす」なんて返した私を誰か褒めろ
手近なコンテナに飛び乗ると港に入ってきた明美さんの姿を捉えたので、2人に指で彼女の位置について合図を送る
やっぱり新一くん、間に合わなかったかぁ
私のサインを見た彼らはにっと嗤うとそちらへ歩いて行って
とうとう明美さんはふたりと鉢合わせてしまった。
久々に会ったけど張り詰めた、しかし強く引き締まった顔をしている明美さん
…やだなぁほんとにもうこのまま帰りたいちくしょうめ
彼らが話しているすぐそばのコンテナへ移った私は、上からその様子を見下ろしている
助けてあげられない
むしろ私が奪わないといけないんだもの憂鬱にもなるわ
来て欲しくないと願っても当然虚しく期待を裏切られるだけ
ジンがちらとこちらにアイコンタクトを寄越したので、私はコンテナから明美さんの前へ飛び降り、咄嗟のことで固まった彼女の右手に拳銃を握らせ
「これでも言わねぇか」
ジンの声と共にその手を拳銃ごと握ると明美さんの腹部へもう一丁、別の銃を突きつけた。
もぉやだぁぁ
file 42 どうかやすらかに→←file 40 むりむりやめて
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 81人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぽんかん(プロフ) - さちさん» 長く更新を止めていてすみません 執筆頑張ります！ (2019年3月29日 0時) (
レス) id: 63034df575 (このIDを非表示/違反報告)
さち - おもしろかったです。続きが気になりました。よろしくお願いします。 (2019年3月28日 18時) (レス) id: 10b64abb1f (このIDを非表示/違反報告)
ぽんかん(プロフ) - のん@天使から墮天使のウオタミ(？)さん» 読んで下さりありがとうございます なかなか筆が進みませんが、がんばります！ (2019年3月18日 1時) (レス) id: 63034df575 (このIDを非表示/違反報告)
のん@天使から墮天使のウオタミ(？) - 四字熟語が、題名な作品は見たことが無かったので、新鮮さを感じました！これからも頑張ってください！応援しています！(#・∀・)♭ (2019年3月10日 17時) (レス) id: 5bc91f0494 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんかん(プロフ) - あお果実さん» 他作品含め読んでいただいてありがとうございます。お心遣いとても嬉しいです 執筆がんばります(*´∀｀) (2019年3月6日 2時) (レス) id: a9e8a7b60c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
