絶対生き抜いてやるもんね〜【名探偵コナン】

file 9 穢れた心 ページ11

「それで？意中の人がいるからイメチェンしたいってーの？
いーじゃない！やんなさいよ！」

「そーお？」


所も日付も変わって放課後
私はまたも麗しき梓さんの職場、ポアロにてコーヒーをいただいてるのだけど

今日の相手はあのおチビちゃんではない
蘭ちゃんと園子ちゃんである


あの晩、悩みに悩んで結果解決策は浮かばず
日付は確定されていないからまだ心にゆとりがあるが、とうとう教室でぽろっと漏れた私の「どうやって見た目を変えよう」とのぼやきを園子ちゃんが拾い
部活が休みだった蘭ちゃんも一緒にここまで引きずられてきたのだ。

まー色恋沙汰になるとここまで首突っ込むのね園子嬢、恐ろしい子

好都合だったのは確かだけどさ


「でも、どうしたらいいかわかんないんだよねぇ」

「そんなの私たちも考えてあげるって！ね、蘭！」

「うん！好きな人のために変わりたいなんて、とっても素敵な事だもの」


是非協力させて、と向けられる笑顔に心が痛い
口では言えない仕事の応酬、保身の為だなんて口が裂けても言えない心が痛い


「にしても、田中さんの好きな人他校の生徒だなんて意外だったかも」

「あ、確かに！いったいどういう接点なの？」

「1年の時の文化祭だよー。そこで会ったの」

「お待たせしました。ケーキセットです。あら、恋バナ？」


スラスラ出てくる嘘っぱち

梓さんが加わって3人
キラキラした笑顔で相槌をうちあうもんだからたまったもんじゃない
純粋で可憐な乙女たちの中にひとつの汚れ

私ここに居ちゃいけない気がする。悲しい


「やっぱり、イメチェンと言えばまず髪型じゃない？
田中さん前髪鬼太郎だし、思い切って切っちゃえば！」

「前髪かぁ。確かにねぇ」


鬼太郎かぁ。園子ちゃんも言うねぇ好き

ちら、と向かいに座る2人の前髪を盗み見る

うん
いつも通り、園子ちゃんはカチューシャつけてのオールバックが似合う
蘭ちゃんは絵だとえらいことになってて、これ現実どうなってんのって思ったけど
なんてことはない、前髪にだけちょっと癖がついてる

言われれば、前髪が変わると印象は大きく変わるだろうなぁ
この髪型以外のふたり思い浮かばないもん


よし、切ろう


「あとは眼鏡かな
コンタクトとかにしてみれば結構変わると思うよ？」


っあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜！

それはむしろダメだ。あかんやつだ。


「うーん、コンタクトは高いからなぁ
そこはちょっとお財布に相談かなぁ」

「確かに、デリケートだしね」

「あ、でも前髪の案はいただきます。2人ともありがとねぇ」


美容院行くのめんどくさいしセルフですまそ

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