絶対生き抜いてやるもんね〜【名探偵コナン】

file 0 前提万里 ページ1

とある有名な貿易会社
そこが拳銃密輸している証拠を撮って来いという仕事を出されたのが3日前
黒服に身を包み、決行したのが2日前

そして新たな仕事を伝えられたのが昨日の午後


私はこの日を、言うに十と余年は待ちわびた。


「あちらさんにはもう連絡を取って、取引の場所と日時を指定してありやす」


拳銃密輸
トロピカルランド
夕方6時半

そして最近話題になっている、聞き覚えのありすぎる高校生探偵


「今回は俺とアニキ。ついでにお前も連れて行けとの指令だ」


ついでとか言うんじゃないよ。やめろよ

原作から外れてるから理解できるけど
そんな扱いされるのは納得できない

まーね、私もね？やっと彼に会えるんだって思ったら喜び驚き
まさか私もそのメンバーに含まれているとは思わなかったからさ？そりゃ嬉しくて脳内でスキップしたよ


「んで
テメェが頑なにひとりで行動したがった理由は何なんだ」


何日か準備期間あって当日の今日
トロピカルランドの駐輪場と駐車場のちょうど境にいるんですけど

横にぴったり張り付いてるドイツのアマガエル

いや近いし
そっから顔出してるロン毛の視線が痛いし

私の事大好きかよ


「なんとなく気分です
最近あなたの車に乗せてもらってばっかりで、この子にかまってあげられてなかったしー」


そう言って跨っている愛車、ごっついバイクの白い車体を軽く叩いてみるけど
やぁっぱ信じ切らないよねぇ、この絶対なんでも疑うマンが

フン、て鼻鳴らされたし
お前が聞いたんやろ


「まぁいい。今から俺とウォッカでやつがちゃんとひとりで来たかを確認してくる
お前はその周囲に人影がないか探っておけ」

「了解でーす」


まぁ心の中だけで、口にはもちろん出さないけども


「取引の30分前にコースター出口で証拠のフィルムを俺に渡しに来い
それまでしっかり持っておけよ」

「わかってまーす」


ほーんと、私のがはるかに年下だから仕方ないけど
ジンと私の対応が違い過ぎるウォッカ嫌いじゃない


車を降りて園内へと向かっていく黒い2つの背中を見送りつつ、今回の取引の場所をマップから見つけ出す

そこで見つけたアトラクション、ミステリーコースタ―


そう言えば確認って、彼らコースターに乗るんだっけ？

生憎、原作は斜め読みで全部は読んでないし
大きな出来事の流れは覚えていても詳細はもう頭の隅


あんま記憶にないけど
あんな恰好であんな人相のふたりが並んで乗ってたら面白いよなぁ


ここのポイントからなら余裕で見えるじゃんってマップとレールを交互に見る


…行くしかないやん?

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