覚悟は決めたよ、もう逃げない[3]―REBORN!!

―117　未来の雪 ページ17

ボンゴレリングを砕いてしまった未来に、恐らくボンゴレファミリーの守護者全員が飛ばされるはず
そのため散り散りになった守護者を集めなければならないと目的が明瞭化したところで、新たに問題が発生した。

京子の失踪と雲雀の鳥、ヒバードからの救難信号だ。

外はボンゴレ狩りのため敵が蔓延しているので
未来で出会ったCEDEFのラル･ミルチと沢田は京子の捜索へ
獄寺と山本はヒバードの追跡へあたり、並盛の町へ繰り出したのだが


｢そろそろ吐かねーか？これ以上は取り返しがつかねーぜ
なぜボンゴレ十代目が生きている？｣


走る稲光がバチバチと鋭く閃光する

ミルフィオーレの実質No.5、電光のγ(ガンマ)と遭遇してしまった獄寺と山本はその圧倒的な力の差を前にして地面に力なく伏していた。

ふたりとも出血がひどく山本は既に意識を失っており、拷問にかけられた獄寺も動くにままならず朦朧としている

しかしそれでも“沢田綱吉を射殺した”と発言したガンマに獄寺が屈することはなく、その顔に唾を吐きかけた。


｢なるほど…ならもう用はない｣


獄寺を地面に投げ捨てたガンマはビリヤードのキューを構えると、また稲妻を走らせる

この時代の戦い方を知り、扱えるようになったといえどまだ未来に来たばかり
ラル･ミルチにリングと炎と匣の使い方を教わったがなるほど、これは勝てない。無知なままでどうにかなるほど甘くはなかったのだと、獄寺は悔しさに歯を食いしばった。

激しくなる雷、いっそう強くなったそれに肌が裂ける


｢あばよ｣


トドメを刺さんとガンマの匣兵器である雷狐(エレットロ・ヴォールピ)が毛をさかだたせたその瞬間
横から何かが突進してきて、とっさに防御を張るが庇った狐もろともガンマの体は吹っ飛ばされた。

かなりのパワー
それに、狐たちが怯えている

いったい何者だ。と攻撃のしかけられた方向に目をやると、そこにひとり立っていた女性はかたわらに携えた真っ白な獣を撫でていた。


犬か？いや、犬にしちゃあ大きい
それにあの毛色、炎は


「雪狼(ネーヴェ・ディ･ルーポ)。オオカミだよ」

「そうか、あんたは…」


漆黒の長い髪をひとつに束ねて、背のある痩身な体を丈の合わないダークスーツに包んでいる
その手には複数のリングと匣、身体中にはおびただしい傷が
中でも目を引くのは、両目を隠すように頭に巻かれた包帯だ。

そしてこの力と殺気


ガンマの記憶の中でその条件に一致し、浮かび上がってくる人物はひとりしかいなかった。


「ボンゴレの雪…栂瀬Aだな」

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