元同期、死刑宣告される。【警察学校組】

死へのカウントダウン16日目 ページ17

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どうやらまだ話し足りないのか、面倒くさそうにゴリラ警察を見て雑な返事を返す松田さん。萩原さんが立ち上がるとすぐに立ち上がった。えらい。





荒々しくドアを開けて不満という気持ちを全面に出す彼の姿を見ながら、降谷さんと一緒に手を振った。今日は班長に加えて萩原さんも諸伏さんもしてくれたよ。うれしい。






「…あいつらは暇なのか？」




「それ思った。2日連続だもんね」





ゴリラ警察が牢獄への扉を開いてダラダラと話す私たちに早く入れと催促する。私も面倒くさそうな顔してやった。頬引っ張られた。痛い。






「うぅ。ゴリラ警察力強い」





「うるさいぞー、もっとやられたいか」





「Aがやられる前に僕がお前をやってやるよ」




「犯罪者思考め。」





そんな軽口を叩き会いながら愉快に歩いてゆく。降谷さんの牢屋に近ずいた時、ちょっと待っててくれと降谷さんは牢屋に入れられる寸前のとこでゴリラ警察に言った。





「はやくしろよ」




「あぁ、分かってる。」






コツ、コツ、と音が響く。降谷さんは私の前に立ち、手錠が外された手でナタリーさんから貰ったイヤリングを渡すよう言ってきた。






「壊さないでよ」




「善処する」





そこはわかったって言ってよ！！と思いながらも差し出された降谷さんの大きな掌に鶴が描かれた朱のイヤリングを渡した。彼はそれを何かいじるように手で転がしたり摘んだりした後、私の両耳にひとつずつ付けた。





「…ん、似合ってるぞ」





横髪の束を掬い、私の耳に掛ける。どこか大人な笑みを浮かべる降谷さんは、警察学校時代と比べて明らかに色気というか、その上手く言えないのだが、大人感が増していてちょっと心臓跳ねた。少女漫画のワンシーンにあるこれが…恋？みたいな感じで。





「降谷さんモテるでしょ」




「まぁそれなりにはな。」






ふふ、と笑い合う。顔がいいこと自覚してんだ。意外。でもイケメンだし自意識過剰でも許されるよね羨ましい。





「おら1259、お前早く牢屋入らんかい」




「…わかった」





ギギギ、と降谷さんが入った途端檻が閉まる音がする。彼に背を向け私達も歩き出した。自分の檻に1歩近づく度、シャランとイヤリングが揺れた。




「ねぇさっきの降谷さんかっこよすぎじゃない？」




「俺の方がかっこいいと思うけどな」



「イタい男。」

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