元同期、死刑宣告される。【警察学校組】

死へのカウントダウン12日目 ページ13

.







「いいか？ここにいるのは全員犯罪者だ。危ないヤツの集まりだからAは僕の傍からできるだけ離れないようにしててくれ。」





「分かった」






犯罪者の集団が集まる校庭の隅でそんな話をする。やだなあもう。降谷さん、過保護すぎなんだから。それにしても急に過保護になったね。前はだいぶ雑な扱いしかしてこなかったのに。





「それじゃあ校庭10周しようか。普段運動しないAにも丁度いいトレーニングだろう？」





「ふる…安室さん、感覚バグってるよ」







トレーニングはてっきり警官の人達が決めたものをやるのかと思ってたけどそんなこと無かった。各自で決めていいとゴリラ警察が犯罪者達の前で言ってた。こっそりサボろうとしてたけど降谷さんに手掴まれた時点でもう終わりだよね。地獄のトレーニング始まるよ。楽もくそもない。



因みにゴリラ警察に言っておきたいんだけど、私と降谷さんは犯罪者じゃないよ。いい？私は善人で、降谷さんは怪力だからね？犯罪者じゃないからね！







「っはぁっ、はぁ、ふる、降谷さ、そ、そろそろきゅうけ、」




「まだ1周しかしてないぞ。どんだけ体力ないんだ」




「仕っ方ないの！！警察辞めてからずーっと家に閉じこもってたんだから！」




「3年もずっと家に？」





「買い物でしか家出たこと無かった」





「相当だな」








そんな汗一つかいてない澄ました顔で言わないでよ。カッコイイけどちょっと腹立つよ。不満げに口を尖らせれば降谷さんが笑う。私なりの反抗なんだけど。笑われるとか思ってなかったんだけど。






「でもまだ元気そうじゃないか、この勢いで10周するぞ」





「ねえもう降谷さーん………！」




「安室だ。」






鬼め。イケメン鬼野郎って呼んでやる。そう決意して縺れそうな足を必死に動かして走った。






トレーニング時間が分からず、これいつまで続くのと思いながら3週目に入ろうとした時、ゴリラ警察が犯罪者と善人と怪力を前にトレーニング終了の鐘を鳴らした。ようやく終わった。10週なんて無理無理。2週で終わってよかった。






でも檻の中に戻るまでの間に、降谷さんが言ったおばさんという言葉には腹が立った。なのでおじさんって言ってやった。なんだとって怒られたけど私は悪くないよ。やられたことやり返しただけだもん。

死へのカウントダウン13日目→←死へのカウントダウン11日目

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す