四話 ページ6
同日の放課後
Aは部室という名の学園長から支給された廃墟に赴いていた｡Aの背丈位ある伸びきった謎の雑草に、学園内とは思えないほど虫もいた｡
Aは古臭い錆びた
『……』
ホコリが夕陽に照らされてきらきらと舞う｡Aは感性が乏しかったので『汚いな』としか思わなかった。
「…誰かいるのか。」
『不法侵入……？！』
『って、マレウス・ドラコニアさんですか』
「僕達は会ったことがあっただろうか？」
『ええ、無いですが｡学生名簿で拝見させてもらいましたよ』
『僕はA・オーダー。是非知り合いではなく、友人としてよろしくお願いします。』
Aは猫かぶりながら､鎌を地面に置いて手を差し出した。
マレウスが不思議そうにその手を見つめているので､Aはマレウスの組んでいた腕を引き上げて、その手を握らせた｡
「友達……」
『ええ、友達になったからには敬語を外させてもらいますよ？いいですね？いきますよ？』
「ああ、気軽に外すと良い。」
『分かった、じゃあドラコニア、これ』
距離が音速で縮まった事にマレウスは少しびっくりした｡Aはどこからか箒を取り出してマレウスの手に持たせた｡
「…？これは」
『箒、ちりやごみなどをはくための草や竹で作った掃除道具』
「それは知っている」
『ドラコニアは私の部室に勝手に居るんだ、掃除くらいしてもらわなきゃ困る。』
「僕が……勝手に…？」
『ほら、口より手を動かせ、今日中に雑巾まで終わらせる。』
「っはは」
マレウスは肩を震わして、大きな牙を見せて笑った。生ぬるい部室の中に乾いた笑いが響いた。
「面白い、僕はお前を気に入ったぞ」
『はあ、それは有難いが手を』
「ディアソムニアに遊びに来るといい｡僕はお前を歓迎する。」
『…それも有難いな、ありがとう……』
絶妙に自分の言葉を遮られたことを根に持ちながら、A達は魔法を使わずに掃除をしていた。
『あ、ドラコニアはなんで私の部室に？生徒会に入りたいのか？』
「？ここは僕のお気に入りの廃墟だったんだが、もうお前が来てしまったからな……」
『ドラコニアが望むのならば月一ぐらいで廃墟にしてやっても構わないが』
「それはただのイメチェンだ」
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なはて(プロフ) - ぽんぺんさん» ありがとうございます！！！！！！！！亀より遅い更新ですが見守っててくださると嬉しいです！！！！！！ (12月26日 0時) (
レス) id: d17e4cd6ee (このIDを非表示/違反報告)
ぽんぺん(プロフ) - 新作も素敵すぎて即お気に入りしちゃいましたはなてさんのペースで更新頑張ってください！！！ (12月21日 8時) (レス) id: fc3f27b29d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はなて | 作成日時：2023年12月21日 1時
