九言 ページ10
·
太宰さんに着いていった先は居酒屋。
けど居酒屋と云っても全然綺麗で、最近はこういうのがテレビで良く紹介されてるんだな、って思う。
其と、こんなところを知っていて連れてくる太宰さんは本当に格好いい人なんだなってつくづく感じる。
「じゃあ、今日は何から飲む?」
『えと……レモンサワー、で。』
飲み損ねちゃったからね。
カウンター席に座って太宰さんが店員さんに頼んでくれた。
席に着くなり、隣から聞こえてくる優しい声音。
「其れで、」
太宰さんの手が私の髪に触れる。
「如何かした?」
『………………私、教師向いてないなって思って。』
コトン、と目の前に清々と汗を掻いたジョッキが置かれる。
頭の上に置かれた手は前後に動き出した。
「………………何でだろう?」
『…誰も、授業聞いてくれてる気がしないし、皆私にタメ口だし、皆私のこと嫌いだろうし。
どうせ、分かりにくいんだろうなーと思いまして。』
「でも、時間は掛かるものだよ?」
『………根本的に向いていないって、』
「まぁ、そう云うものか…。」
太宰さんがムッと考える。
私は渇いた喉を潤そうと目の前のアルコールを流した。
…お酒が入ると、また考えてしまう。
生徒のこと、先生方のこと、そして自分のこの先のこと。
アルコールのとりすぎかもしくは唯の思い込み頭痛か。
そうして躯までも痛めつけていくのだ。
すると、太宰さんがポツリと溢した。
「私は教師というものが良く判らないのだけど…………良ければ私の友人が元教師なんだけど話を聞いてみようか。」
『え、……いや、あの、』
「大丈夫大丈夫、最初はガミガミ云うけど後からきちんと話してくれるから。」
そう云って携帯を弄り出した太宰さん。
ちょ、待って待って待って。
話進むの速くない?
大丈夫なんですか?
あ、駄目だもう遅い、コール音が途切れて何か声が聞こえてきた。
「やぁ、夜遅くにごめんね、国木田くん。」
605人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
白ちゃん - 面白かったです。 (2022年7月21日 18時) (レス) @page13 id: 0a2f8cc4e7 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^ほのぼのしていて、癒されました^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年4月8日 21時) (レス) id: 406c27ad01 (このIDを非表示/違反報告)
博識のうさぎ(仮)(プロフ) - 椿さん» ありがとうございます!頑張ります!! (2019年3月29日 20時) (レス) id: 311cf89819 (このIDを非表示/違反報告)
博識のうさぎ(仮)(プロフ) - かんりりさん» ありがとうございます!! (2019年3月29日 20時) (レス) id: 311cf89819 (このIDを非表示/違反報告)
椿 - 更新頑張ってください。楽しみにしてます (2019年3月29日 20時) (レス) id: 2688fc176f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:博識のうさぎ(仮) | 作者ホームページ:
作成日時:2019年2月20日 19時