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ドロドロに溶かされる。



スリルも相まってか、より深くまで入りこんで絡みついてほどけない。
体には触れてこないものの充分だった。



「たか、兄…ドア透けてるから見える…っ」


『ほな立て。隠したる』



立ち上がったたか兄は椅子を蹴飛ばしてあたしに被さる。
生々しい音が幾重にも重なって外まで漏れてるんじゃないかと心配になった。



吸いついてくる唇は獣のよう。



「ん、ねぇ、行かな…」


『黙れ。社会勉強や』


「んっ…はぁ…」



胸元を握っていた手をそっと持って、下半身に移動させられる。
本番はこれからとでも言うみたいに。



やってほしいこと、分かってるけど…
今この状況で出来るほど強くない。



「家、家じゃだめ…?」


『ここでやるからきもちいねん』



するとまた、スカートのポケットが震動した。
あっさりキスを止めたたか兄がどうぞとジェスチャーする。



何もされないよう少し距離を開けて電話を取った。



『遅い。俺がそっち行くから場所教えて』


「いや、いい。今から行く」


『もうトイレ出たから。このままうろちょろしてたら捕まんねん、はよ』



背後から足音が迫ってきた。
逃げようとそこらを歩き回る。



「じゃあもう出よ。出たとこ待ち合わせで」



ここはエントランスから近かった。
出るのにそんなに時間がかからない。



でも…



ドン、という鈍い音が背中に響く。
勝ち目のない鬼ごっこに勝敗がついた瞬間。



『あ、やば。見つかった。悪い切る』



救いの手も、断ち切られる。



『よーし、笑 続き』



今度は、容赦なかった。

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一波(プロフ) - わざわざお返事ありがとうございます!嬉しいです!あれからカジャさんのお話貪るように読んでました。お話ごとに色がはっきりしていて引き込まれて夢中で読んじゃいました!これからのお話も楽しみにしてます。お返事本当に嬉しかったです(^^)ありがとうございました! (2019年5月7日 0時) (レス) id: 9b260c34a2 (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - 一波さん» 痛くて不器用…本当にそうですね、一波さんの言葉に感心してしまいました笑 そう、私はこの人たちの不器用さをかきたかったのかもしれません、素敵なコメントありがとうございました。 (2019年5月3日 13時) (レス) id: 94c6d0cc26 (このIDを非表示/違反報告)
一波(プロフ) - 読み終わりました!途中読んでて痛くもなりましたが、その痛みに魅せられて頁を捲る手が止まりませんでした。痛くて不器用な3人の思いが好きでした。素敵なお話ありがとうございました。このお話に出逢えて読む事が出来てしあわせでした。カジャさんの言葉選び大好きです (2019年5月3日 5時) (レス) id: 9b260c34a2 (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - りぃさん» おおぅりのさん!気に入って頂けましたかー嬉しいです(^^) 告白受け取りました。 (2019年4月29日 16時) (レス) id: 94c6d0cc26 (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - 雷さん» ありがとうございました、たか兄が報われますようにと気持ちを込めた描写でした。 (2019年4月29日 16時) (レス) id: 94c6d0cc26 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カジャ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kajya1734  
作成日時:2019年4月1日 19時

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