【歌い手】A day with___ 3 【短編集】

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目的地は歌詞くんの家だっけれど、お昼は外で済まそうという話になり、お腹がいっぱいになって歌詞くんの家の敷居を跨いだ。



貴「お邪魔しまーす」
歌「どうぞ」
貴「みみちゃんもぽんちゃんも元気？」
歌「うん、2匹とも相変わらずだよ」



あがると直ぐに2匹は寄ってきてくれて、本当に可愛いなとデレデレ状態。
歌詞くんの家に来るといつもこうである。



歌「はい、ミルクティー」
貴「あっ、ありがとう」
歌「どういたしまして」



少し姿が見えなかったのはこれだったらしい。本当に優しい彼氏である。
受け取ったミルクティーはまだほんのり温かくて、少し飲むと不思議と眠気を誘われた。



歌「変なこと聞くけどさ」
貴「ん？」
歌「A、最近寝れてないでしょ」
貴「...え」
歌「目の下にクマができてるし、顔が少し窶れて見えるからもしかしてと思って」



これだから歌詞くんは。
絶対にバレないと思ったんだけどな。
したから覗き込まれる様に聞かれて観念。



貴「実はね。不眠症みたいな感じで全然寝れてなくて」
歌「やっぱり。仕事で何かあった？」
貴「特別何かあったわけじゃないけど少し忙しくて気を張りすぎてただけかも」



実際、歌詞くんの顔を見てからとても気持ちに余裕が出来た。不思議なものだけど歌詞くんの影響は絶大である。



歌「いやなことがあったわけじゃないならよかったけど、寝れる時に寝るんだよ。睡眠はいちばん大切だからね」
貴「うん」
歌「で？そろそろ眠くなってきたんじゃない？」
貴「え」
歌「いや、だってAってお腹いっぱいの時に温かいもの飲むと眠くなるじゃん」
貴「なんで知ってるの、てか今日も」
歌「ははっ、それは秘密だけど眠いならいつでも寝ていいからね
肩でも膝でも布団でも貸すから」
貴「うん、ありがと」



安心しきってしまった私は、お礼を言い終わったかどうか、記憶が定かではないけれど、どうやら寝てしまったらしかった。



歌「無理すんなよ、おやすみ」






-end-

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