【歌い手】A day with___ 3 【短編集】

私以上に私を【そらる】 ページ1

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そ「A大丈夫ー？」
貴「そ、らる無理大丈夫くない」
そ「だと思った」



そう言いながら少し待っててねと言って離れていくのは幼なじみのそらる。物心つく前から親の関係でずっと一緒にいる。

そんなそらるが今日、私の家に来たのには理由がある。

私が呼んだのだ。

朝起きると、突然襲ってきた腹部の鈍い痛み。女性の方ならなんとなく察してくださるだろうが、所謂「女の子の日」が来たのである。

今回はあまりに酷すぎて、痛さで意識が飛ぶ中とりあえずそらるに連絡をしたのだ。
連絡と言っても「そらるやばい」の一言だけれどさすがは幼なじみである。全てを察したらしく、望み通り私の家まで来てくれた。


学生の時の方がよかった。
家にはお母さんがいて、しんどい時はいつも助けてくれた。
けれど今はそんな甘くはない。
一人暮らしを始めて早三年が経つけれど、今でも家が恋しくなる。
毎日がホームシックやんけー、なんて笑えるかボケ。



そ「とりあえずはい、薬と水。あとお湯ね」
貴「ありがどう」
そ「はいはい。それにしても今回は久しぶりに酷そうじゃん」
貴「うん、物凄く痛くて死にそう」
そ「見てても伝わってくる、いつも煩いのに今日は静かだからね」



そんな言葉に煩くないもん、とは返すけれど、いくら付き合いが長いからとは言えどもこうして気にかけてくれて、まんざらでもなく嬉しかったりした。



貴「平日なのに急に呼び出しちゃって、本当にごめんね」
そ「別にいいよ、今はそんなにやることも無いし、どうせ家にいるし
てかSOS久しぶりから相当痛いでしょ」
貴「ま、まあまあ」



確かにここまで酷いのは久しぶりだけれど、割と毎回痛すぎて死んでいる。
一人で死んでいる時は、一人でなんとかやれる時だけど。
だから久しぶりの痛さ故にそらるを呼んだ訳では無いのだけれど、そんなことはあまり言いたくない。



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