6.昔の話 ページ7
あれは、よく晴れた日のことだった。
確かあれはまだ私が幼い少女だった時。
私が初めて外に出して貰えた日。
兄上達と一緒に外に出たんだ。
父上も母上も兄上達が一緒なら大丈夫だろうと安心しきっていたし、
そもそも私がなかなか外に出してもらえなかったのには訳があった。
今はだいぶ丈夫になったが昔は病弱だったのもあるのだが、
生まれつき白すぎる肌。
それに対して家族にはロキ兄上しかいない真っ黒な髪色。
そして極めつけは家族の誰にもいないルビーのような真っ赤な瞳。
私が生まれた時は周りもかなりざわついたらしい。
何より、ロキ兄上が周りから受けていた扱いを父上達は知っていたから私を外に出したがらなかったのだ。
王宮に務めているもの達も私のことを影でコソコソ、色々言ってたらしいな。
あれは、王宮を出て少し離れた場所に行った時だ
「あにうえー!早く早く!遅いー!」
ソー「おい!置いていくなよ!ひとりじゃ危ないだろ!」
「兄上が遅いのが行けないのですよーだ!」
ソー「なんだとー!」
ロキ「A!そんなに走ったら危ないよ〜!」
「全然平気ですよ!ロキ兄上!お外だお外!!
私は初めて王宮の外に出れたことへの興奮ではしゃぎ回っていた。
そしてつい調子に乗って王宮から少し離れた場所にまで遊びに行ってしまった。
その時は兄上達がいるから何があってもやっつけてくれるし大丈夫とういう軽い気持ちで森の中に入ってしまった。
今思えば、何故兄上の忠告を無視してくらい森の中に進んだのか。
昔私は好奇心旺盛だったとはいえそんな自分で危険とわかっている場所
もしくは本能的に危険と感じた場所は躊躇無く入ろうとはしないはずなのだ。
ただなにかに引き寄せられるような気がしたんだ。
そう、このままここから引き返せば何事もなく楽しい思い出で残ったはずなのに。
......
主人公の一人称やっぱり私に固定しました!
急に変えてごめんなさい!
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作者名:いしころ | 作成日時:2019年5月19日 18時