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＜理事長室＞
ｺﾝｺﾝ
ｻﾘ「どうぞ〜」
ｶﾙ「失礼します」
ｻﾘ「Aちゃんの所に行ってきた？」
ｶﾙ「はい」
ｻﾘ「まぁ座りなよ」
ーーーー
ｻﾘ「君も最近色々調べてるみたいだけど、どこまで知ってるの？」
そんな事まで知ってるのか……
ｶﾙ「まだ何も掴めてません
しかしさっきAの部屋に入った時、ケルベロスを見ました」
あいつには私の家系の血が入ってますね」
ｻﾘ「正解〜」
ｶﾙ「……」
ｻﾘ「それで？」
ｶﾙ「……兄は結婚してません」
私は昔結婚していました
オルフェ・エレゼルという女性と……」
ｻﾘ「うん」
ｶﾙ「あいつは……Aは私達の子ですか？」
ｻﾘ「…………」
ｶﾙ「…………」
ｻﾘ「そうだよ……君とオルフェ君の子供だよ
オルフェ君は君と別れた後にお腹の中に子供がいること気がついてそこから1人で育て始めた」
ｶﾙ「っ……」
ｻﾘ「僕さ、絶対に渡さないって言ったよね？」
ｶﾙ「はい」
ｻﾘ「あれ、訂正するよ」
ｶﾙ「！」
ｻﾘ「あの子が君とご飯食べに行きたいって……」
ｶﾙ「Aが……」
それからAの今までの生い立ち全て聞いた
人間界に住んでいたことは驚きだったがそれ以上に苦労させてしまったことに罪悪感を覚えた
ｻﾘ「それともう長くないよ」
ｶﾙ「…………今なんと？」
ｻﾘ「日に日に悪化してる、もう薬も殆ど効いてない」
ｶﾙ「……治らないんですか？」
ｻﾘ「小さい頃にきちんと治療出来ていれば治ったかもね」
私のせいなのか……
きちんとエレと話していれば……
ｻﾘ「だからいい思い出を残してあげて」
ｶﾙ「いい思い出ですか……」
ｻﾘ「父親との思い出をだよ」
ｶﾙ「っ！……分かりました」
ｻﾘ「でもあの子は僕の孫だから！Aちゃんと何かしたい場合は僕に許可を取ってもらうよ〜」
ｶﾙ「……ﾊｧ……分かりました」
ｻﾘ「ありゃ？素直だね〜」
ｶﾙ「まぁ仕方がないですからね」
ｻﾘ「……今日はもう寝なよ」
ｶﾙ「はい」
私は用意された部屋に戻った
あいつはあの時、問題児たちが職員室に殴り込みに来た時、私のケルベロスを見て悟った
そして私にケルベロスについてや家族の事を聞こうとしたが聞けなかった…………という具合か……
ｶﾙ「今更父親として私は何をしてやれるのだろうか」
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作者名：琥珀 | 作成日時：2023年6月18日 11時
