四十話 ページ44
「善逸くんは身体の調子はどお?」
「だいぶ戻ってきたかなぁ、でもまだまだ苦い薬飲まないといけないけどね」
「そっかぁ、鬼と戦うって凄く大変なんだね…皆怪我したり、命落としたり、食べられたり…」
「本当、俺もやだよ、怖いし痛いし死ぬかもしれないしでさぁ」
ベッドでうなだれながら善逸くんは青ざめた顔をする
「灯里ちゃんの住む未来ではさ、鬼居ないんだよね?いいなぁ、きっと誰かが倒してくれたって事でしょ?」
「そうだね、きっと誰かが倒したんだろうね、だから私の居た未来では鬼は居ない……けど」
私は俯いて黙ってしまった
「?どうしたの?灯里ちゃん」
私に優しく声をかけてくれる善逸くん
「鬼は居ないけど、人、生き物、自然、病気、感染症…様々な事で人は命を落とす、毎日毎日人が居なくなるよ」
「毎日?」
「うん…毎日、色んな事で人が命を落とす…悲しいよね…」
「そうだね…」
しん……と暗い空気になってしまった後
居た堪れなくなった私は
「な、なんか変な雰囲気になっちゃったね…!私もう行くね!善逸くんもゆっくり休んで」
と部屋から出ようとした時
「お、お饅頭ありがと!灯里ちゃん!」
善逸くんに声をかけられたので
「どういたしまして!」
と言い私はそそくさと部屋から出たのだった
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作者名:カリン | 作成日時:2020年11月22日 22時