二十三話 ページ27
「じゃあ、行ってきます!」
藤の花屋敷の門の前で、竈門くん、我妻くん、嘴平くんが鬼殺隊の隊服を着て、那田蜘蛛山へ行く為に出発しようとしていた
(竈門くんの羽織り、ちゃんと洗って乾いて良かった)
改めて見る竈門くんの隊服姿はとても凛々しくてかっこよかった
背中には禰豆子ちゃんが入った木の箱を背負っている
我妻くんもカッコ良いけど、嘴平くんは何故か猪頭の被り物をしていた
(なんで猪の被り物してんだろ……)
「灯里ちゃーん!俺行きたくないよー!!」
泣きながら手を握ってくる我妻くんはどうやら鬼殺隊なのに、任務に行きたくないらしい
「が、頑張って下さい、我妻くん、私ここで待ってますから」
「灯里ちゃーん!終わったら絶対来るからねぇぇぇ!!」
我妻くんの手を握り返し笑顔で微笑むと我妻くんはパァッと顔が明るくなって何故かやる気を見せた
(ころころ表情が変わるなぁ我妻くんは)
「竈門くんも嘴平くんも気をつけて!」
「はい!灯里さん!必ず迎えに来ますから!」
「ってか嘴平とかって呼び慣れねぇから、俺の事は伊之助で呼べ」
「伊之助くん…ですか?」
確かに嘴平くんってちょっと言いにくいかもと思ってたら、
「俺の事も善逸って呼んでぇぇ!灯里ちゃん!」
「ぜ、善逸くん?」
「あ、ああ…幸せ…灯里ちゃんに呼んでもらえるなんて…」
我妻くんを名前で呼ぶと、嬉しそうに顔を赤くして喜んでいた
「では行ってらっしゃいませ」
とおばあちゃんがカチカチっと何かを鳴らすと、伊之助くんが「何すんだ!!ババア!」と叫び、善逸くんと竈門くんが止めに入った
「切り火だよ!!お清めしてくれてんの!!危険な仕事行くから!!」
と善逸くんが言った
そして揉めながらも三人は那田蜘蛛山へと行った
(私は待つ事位しか出来ないけど、みんな無事で帰って来ますように……)
そう思いながら私はいつまでも三人が行った方向を見ていた
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作者名:カリン | 作成日時:2020年11月22日 22時