二十話 ページ24
2×××現代
ピーポーピーポー!!
大きな救急車のサイレンが鳴り響き、一人の女の人が運ばれていく
「路上で女子高生が倒れていて、階段から転落した模様!頭部強打により出血、意識不明の重体!」
病院に担架で運ばれ、手術室に行き赤いランプが付いた
手術室に入ってから3時間が経過した頃、ランプが消え、執刀医の先生が出てくると、長椅子に座っていた女性二人が駆け寄っていく
「先生!天川さんは?!大丈夫なんですか?!」
「灯里は!?無事ですか?!」
「天川灯里さんのご家族では無いですね?ご家族の方は…」
と先生が言うと
「私天川さんの担任の笹山と言います、天川さんのご家族は他界していて、親族も居ません、私が代わりに聞くと言うのは駄目でしょうか?」
「私も灯里の親友の柳と言います、私にも聞かせて下さい!」
先生の元へ駆け寄ったのは灯里の通う高校の担任の笹山と灯里の親友、柳だった
「そうですか、天川さんの手術をした本郷です…ではこちらへ来ていただけますでしょうか」
と本郷と名乗る先生の後を笹山と柳がついていった
そして一つの診察室に通され、3人が椅子に座ると、本郷が口を開いた
「天川さんは、転落による頭部外傷、全身打撲、左足骨折の重傷で命に別状ありませんが、意識がいつ戻るか分からない状態にあります」
「いつ戻るか分からない?」
「そうです、現時点で天川さんがいつ意識が戻るのかは分からない状態です」
本郷の説明を聞いた笹山と柳は灯里のいる病室へと入る
そこには酸素マスク、何種類もの点滴、足にはギブス、頭に包帯を巻かれていて、横になっている灯里が居た
「階段から落ちたってアンタ…何やってんのよ…」
柳は灯里の手をそっと握り締めて、
「早く目を覚ましてよ…灯里っ!」
泣きながら呼びかけたのだった
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作者名:カリン | 作成日時:2020年11月22日 22時