十二話 ページ13
遅めの夕ご飯を食べ、嘴平くんは早々お腹一杯で寝てしまった
私も温かいお茶を飲みつつ、一息付いてると、部屋の角に置いてある木の箱がカタカタと音を立てた
(えっ？な、何？)
私が驚いていると、竈門くんが大丈夫ですよと言ってきて我妻くんもうんうんと頷いている
木の箱がゆっくり開くと中から女の子が出てきた
口に竹の枷をしていて、長い黒髪とピンクの可愛らしい目
なんとも可愛らしい女の子だった
「可愛いい女の子だけど、なんで木の箱から？」
「その事なんですが…」
竈門くんが私に説明してくれた
竈門くんの家族は鬼に襲われ、生き残った妹禰豆子ちゃんは鬼になってしまったのだと
でも禰豆子ちゃんは人を襲わない、食べない、人を自分の家族、鬼は敵だと暗示がかかっていて
竈門くんは禰豆子ちゃんを人間に戻す為に厳しい修行をし、鬼殺隊に入隊したんだと
家族を襲った鬼も絶対許さないと
「そんな事があったんですね…」
「鬼は、日の光と藤の花が嫌いみたいなんです、だから禰豆子はいつも日の光が当たらない木の箱にいるんです」
竈門くんはなんだが悲しげな表情をしてる
そりゃあそうだよね、家族が亡くなって、唯一の妹が鬼になってしまったのだから
禰豆子ちゃんと我妻くんはなんだか楽しそうに話している(我妻くんが一方的に話してるんだけど)
そんな二人を見て私は
「他所から来た私が言うのも何だけど、きっと竈門くんのその強い想いは絶対は無くしちゃいけないと思う、信じる心が1番大事だし、叶えたい事は待ってるだけでは絶対来ない
自分から進んで行かないと叶えられないよ！」
「灯里さん…」
「私は鬼を倒す力も何も持ってないけど、話は聞いてあげられるから、いつでも話して？貴方の想ってる気持ち」
私は竈門くんの目を見て話すと、ありがとうございます…と少し心の荷が軽くなった様なそんな感じの表情を竈門くんはして見せた
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作者名：カリン | 作成日時：2020年11月22日 22時
