第97話「態と」 ページ48
木っ端微塵に粉砕した氷が宙に鏤める景色を眼前に、苦虫を噛み潰したような強面で、不服そうに舌を鳴らしたこいつ。
滞りなく再び氷が出現するも、増した勢いも相俟って今度は後退することにし、難無くそれらの攻撃を避けた。
新しく氷が出現する度に、弾んだ足取りで一歩、また一歩と退がるオレと、それに合わせてよくもまあ飽きもせず、一歩、また一歩と距離を詰めたがるこいつ。
だがその意思に反し、一向に距離が縮まる見込みは無かった。
敵はムキになって焦り始める。……それで良い。
そのまま馬鹿正直にオレにだけ集中していれば良い。
だがいい加減このままではこいつの忍耐力が切れるのも時間の問題だった。難攻不落の状況に何れは自棄を起こし、集中することを放棄してしまうかもしれない。
それはオレにとって不都合でしかなかった。
その可能性を見越し、弾んでいた足取りを一瞬、重くする。
繰り返す跳躍により酷くぐらついていた視界から一変。
スローモーションと化した視界の中で、先端が針のように鋭く尖った氷柱が、目前へと迫ってきているのがわかった。
目の下に僅かだが殺傷力のある氷が貫通し、掠る。
直で肌に触れた氷の冷たさに身震いしたのも束の間。
一瞬でそこから鮮血が溢れ出し、次第に熱を持ち始めた。
その様を見届け、しめたとでも言いたげに、嘲笑っているのか敵の口角が上がる。
────ハッ……バーカ。
オレが油断したと信じて疑わない
次の攻撃が来る前に体制を整え、再び後方へと跳躍した。
"その間も"、自然と鼻がヒクつく。
真正面を見据え……敵の向こう側にいるであろうあいつに、目配せで合図をした。
隙を見せたのはお前の方だ、クソガキ。
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Acer(プロフ) - mikki-さん» 反応が遅れてしまい誠に申し訳ありません…！ 確認しました。改めてこちらの方でもお礼を述べさせていただきます。素敵なイラストをありがとうございました！！ とても嬉しかったです…！！ (2019年2月27日 21時) (
レス) id: 5b56e0d54c (このIDを非表示/違反報告)
mikki-(プロフ) - どうも！元Clarisです！また喰種くんを描かせて頂きました！！ちょっとしたものですけどhttps://img.u.nosv.org/item/misamisahiroto/1550939565 (2019年2月24日 1時) (レス) id: df35f93799 (このIDを非表示/違反報告)
神宮 - ちょっと、バイト行ってくるわ。(真顔) (2019年1月11日 0時) (レス) id: a62e8a91e8 (このIDを非表示/違反報告)
Acer(プロフ) - 神宮さん» 宇宙(小並感) (2019年1月9日 13時) (レス) id: 5b56e0d54c (このIDを非表示/違反報告)
神宮 - 新婚旅行は何処がいい？(イケボ) (2019年1月8日 18時) (レス) id: a62e8a91e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Acer | 作成日時：2018年8月10日 17時
