第73話「結果」 ページ23
投げるという動作は、案外全身を使って行うものだ。
その所為で砂子を踏み締めた足が、真っ先に意図しない影響を及ぼしていた。
地面は大幅に抉られ、オレが立つ深い窪みを中心に至る所へと亀裂が走っている。
災害にでも見舞われたかのような酷な有様に、最早本来の平坦な地面とは程遠かった。
当の投げたボールは、暴風を置き土産に空を突き抜けるどころか、突き破っていった。
我ながら凄まじい速度は目で追えるような領域ではなく、放り投げた時点で見失い、そのくせ辺り一面を砂を掬った強風が吹き荒れる。
躍り狂う髪と被服が落ち着きを取り戻した頃、無機質な音が静寂の中の虚空に消えた。
「1307.4m…。」
暫くすると砂埃が晴れ、解放されたように一息ついたセンセーの掠声が僅かに届く。
その横でガキ共が愕然としながら茫然自失な声を漏らした。
「ス、スゲ〜…」
「何今の……」
「ウチ真面目に心臓止まるかと思った…」
静かな騒めきに目を向けると、どうやら衝撃が其処まで行き届いていたらしく、それに耐え切れなかった人間が少数尻餅をつかせていた。
……衰弱した力を更に抑制した感覚はあったものの、流石だな…。
昔タタラやノロをぶっ飛ばせた力は伊達じゃないってか。
誰も
なかなかどうして力の衰えすら拭いきれないのが実際だが、ガキ共の反応に、そうだとしてももしやこの場に限ってはやり過ぎてしまったんじゃないかと、別の不安が微かに脳裏を過る。
確かに強弱の制御がつかなくなったこともまた事実だ。
そうとなれば次に手を抜く事はオレにとって必然な訳で、怪訝な視線を隠すことなく突き刺してくるセンセーからボウルを受け取り、再度位置につく。
ボール投げは2回なんだよな。
微調整が効かない故、最後の2回目は普通に投げようと心積りするオレをよそに、無意味にも頭を抱えるなどしてガキ共は身構えていた。
「……？」
「……あれ…？」
「こ…こない……？」
再び鳴る機械音に、すぐ様「もう投げてたのかよッ！！」と、空回りした防御に嘆いた誰かの突っ込みが入る。
此方までには声が届かず聞きそびれたが、センセーが結果を口にしていたらしく、 「普通だ…。」やら「でも個性なし基準にしたらわりと凄くないか？」やら、各々が口遊む率直な感想に、何かと騒がしそうだった。
※数値はあくまで目安です。
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Acer(プロフ) - mikki-さん» 反応が遅れてしまい誠に申し訳ありません…！ 確認しました。改めてこちらの方でもお礼を述べさせていただきます。素敵なイラストをありがとうございました！！ とても嬉しかったです…！！ (2019年2月27日 21時) (
レス) id: 5b56e0d54c (このIDを非表示/違反報告)
mikki-(プロフ) - どうも！元Clarisです！また喰種くんを描かせて頂きました！！ちょっとしたものですけどhttps://img.u.nosv.org/item/misamisahiroto/1550939565 (2019年2月24日 1時) (レス) id: df35f93799 (このIDを非表示/違反報告)
神宮 - ちょっと、バイト行ってくるわ。(真顔) (2019年1月11日 0時) (レス) id: a62e8a91e8 (このIDを非表示/違反報告)
Acer(プロフ) - 神宮さん» 宇宙(小並感) (2019年1月9日 13時) (レス) id: 5b56e0d54c (このIDを非表示/違反報告)
神宮 - 新婚旅行は何処がいい？(イケボ) (2019年1月8日 18時) (レス) id: a62e8a91e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Acer | 作成日時：2018年8月10日 17時
