第32話「イレイザーヘッド」 ページ32
黒を統一させた衣服を見に纏った無気力な男の正体は、抹消ヒーロー、イレイザーヘッド。
どことなく怠惰な雰囲気を纏う彼に、警察官の男は申し訳なさそうに眉を下げる。
「この度はわざわざすみません。こちらから出迎え用の車も用意出来ずに……」
「いえ、お気になさらず。たまたま近くまで来ていたので。こちらこそ到着が遅れてしまい申し訳ありません。」
イレイザーヘッドは到着するや否や謝罪を挟み、軽く頭を下げた。その見た目にそぐわない律儀な姿に、警察官の男は苦笑する。
実のところ、イレイザーヘッドは全く遅刻などしていなかったのだ。寧ろ警察側が事件発覚後、直ぐに現場に来てくれという彼の嫌う不合理で無茶な依頼をした為、せめて時間指定等はしていなかったのだが、それにしてはあまりにも早すぎる到着に、男は謝罪すべきはこちら側だと狼狽する。
そのうえ彼は今日は非番となっていた筈だ。
頼むから頭を下げるなと懇願する男の傍らで、他の警察官達が少なからず困惑とした表情を見せる。
「えっ…ちょっと大丈夫なんですかイレイザーヘッドさん。あなた確かあの雄英の教師もしていらっしゃいましたよね…？ そんな暇ないんじゃ……」
部下と思われしその男は、イレイザーヘッドに向けて配慮を含んだ問い掛けをし、自身の上司なのであろう男を、事態が把握し切れてない故の助け船を寄越すような眼差しで見上げた。
そんな男を宥めるように、先程イレイザーヘッドと御辞儀を交わした男は口を開く。
「犯人の予想図がつかない以上、
そんで、見た相手の個性を抹消出来る、イレイザーヘッドさんに絞られたんだとよ。」
「対人戦闘の経験もあるし、そのうえイレイザーヘッドさんはメディアへの露出を嫌っている。その分世間への認知も低いおかげで、ヒーローとしての調査もしやすい。
…とまぁ、なにかと好都合なんだと。」
「……そういうことです。」
自分から説明する道理も、補足する必要性も欠けた事から、イレイザーヘッドは気怠げに肯定だけを示して、挨拶もそこそこにと遺体を見据える。
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Acer(プロフ) - ボブさん» 見てくれてありがとうございます！それに褒めていただけてとても嬉しいです！お返事が遅くなってしまってすみませんでした…＞＜ (2020年5月31日 19時) (
レス) id: 5b56e0d54c (このIDを非表示/違反報告)
ボブ - めっちゃおもろいですね 俺は東京喰種とヒロアカが大好きなんで すごくいいなーって思いました 文作るのすげーうまいっすね 俺やったら全然分とか作らないんですげーと思いました (2020年4月28日 21時) (レス) id: 95a51c0b56 (このIDを非表示/違反報告)
Acer(プロフ) - 夏希さん» そう言ってもらえるなんて光栄です！コメント諸々ありがとうございます！ 多分次の更新がきたときは同時に続編が出ると思いますので そちらの方で引き続き目を通してくれたら幸いです。ここまで読んでくださりありがとうございました！ (2018年8月2日 17時) (レス) id: 9d909c4f1f (このIDを非表示/違反報告)
夏希 - めっっっちゃ面白いですね！！更新がすごく楽しみです^^ (2018年8月1日 20時) (レス) id: c79d085b3f (このIDを非表示/違反報告)
Acer(プロフ) - ですがこれから本編に関係のない更新をした際 文字数の関係でお伝え出来ないことが稀にあるかもしれませんが なるべく明記しようかと思います…！ 貴重なご意見ありがとうございました…！ (2018年6月10日 18時) (レス) id: 9d909c4f1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Acer | 作成日時：2018年4月27日 0時
