第22話「喰種の空腹」 ページ22
夜──。
丑三つ時の空は雲ひとつなく、ただ暗闇を膨張させていた。
衣嚢に手を突っ込み、自〇の
電灯がチカチカと点滅し、眩い光に吸い寄せられた羽虫と共に、視界の端で鮮やかに色付いた紅葉が舞う。
──…オレは月に1度の頻度で、自ら命を絶った人間の死体を貪ることでなんとか事なきを得ていた。"あんていく"で世話になってた頃と勝っては違い、拠点や人脈がないと死体ですら満足にありつけない。
だが運良く多めに摂食できた月日も込みで数えると、これまでに6回ほど人間を食っている。
オレがこの世界に来たばかりの頃は確か桜が舞っていた。
通算すると、あの頃を4月と仮定して、1ヶ月に1回の食事で割り当てて考えると、今月はまだ食えていないものの凡そ10月くらいにはなる。随分と時が過ぎたものだ。
我ながらの生存能力に感心していると、昼間でも人通りの少ない細道に、オレの腹の虫の鳴き声が静かに響く。
必要最低限捕食を行わずに、既に息を引き取った死体からありつく選択をしてはいるものの、これには限界がある。
自○者が定期的に何人も出るってのは、人間世界に於いて悲しいもの。このような貧困した食生活は稀にあるし、無ければならないと思っている。
然し
不安定な歩調に足元が覚束無い。
我慢の限界は徐々に速度を増して迫ってきていた。
焦燥感に駆られ足早に赴いた道中────
ドンッ
「痛っってぇえ〜……！
オイオイ兄ちゃん…今俺達ぶつかったんだけどさァ……。どういう意味か、わかる？」
途端吊り上がる口角を必死に抑えた。
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Acer(プロフ) - ボブさん» 見てくれてありがとうございます！それに褒めていただけてとても嬉しいです！お返事が遅くなってしまってすみませんでした…＞＜ (2020年5月31日 19時) (
レス) id: 5b56e0d54c (このIDを非表示/違反報告)
ボブ - めっちゃおもろいですね 俺は東京喰種とヒロアカが大好きなんで すごくいいなーって思いました 文作るのすげーうまいっすね 俺やったら全然分とか作らないんですげーと思いました (2020年4月28日 21時) (レス) id: 95a51c0b56 (このIDを非表示/違反報告)
Acer(プロフ) - 夏希さん» そう言ってもらえるなんて光栄です！コメント諸々ありがとうございます！ 多分次の更新がきたときは同時に続編が出ると思いますので そちらの方で引き続き目を通してくれたら幸いです。ここまで読んでくださりありがとうございました！ (2018年8月2日 17時) (レス) id: 9d909c4f1f (このIDを非表示/違反報告)
夏希 - めっっっちゃ面白いですね！！更新がすごく楽しみです^^ (2018年8月1日 20時) (レス) id: c79d085b3f (このIDを非表示/違反報告)
Acer(プロフ) - ですがこれから本編に関係のない更新をした際 文字数の関係でお伝え出来ないことが稀にあるかもしれませんが なるべく明記しようかと思います…！ 貴重なご意見ありがとうございました…！ (2018年6月10日 18時) (レス) id: 9d909c4f1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Acer | 作成日時：2018年4月27日 0時
