第39話 思い ページ39
。
話し終わると雛麗は再び親父にもう一度頭を下げた。
「身勝手なのは分かってる。…神楽は私の大切な妹と言っても過言じゃない。大切な家族なんだ。だからお願いします。…どうか家族を助けてさせてください。」
親父は頭を下げる雛麗を見下ろしたまま無言のまま、動かない。
親父…？
「……そんな事でお前は頭を下げているのか?」
「…え?」
「!?」
親父!?
「言っただろう。お前は俺の娘だ。娘の頼み事を聞くのは親としちゃあ当たり前だ。だから……」
身を乗り出し、親父は雛麗の頭に手を置いた。
「こんな小せぇ頭を下げてまで願うな。親に頼み事をするのにお前は頭を下げて頼み事をするのか?」
「!?……」
「親父…」
「適わねぇなぁ……」
サッチと2人で安堵の息を漏らしつつ、親父の言葉の重みが胸に浸透した。
「白ひげの旦那…………」
雛麗の目は少し潤んでいる様にも見えた。
「ありがとう……ございます!!」
噛み締めるかのように雛麗はお礼の言葉を口にした。涙は見せなかったが、嬉しさが込み上げているのは間違いない。
「よォーっし！そうと決まれば行先が決まったなァ！」
サッチは雛麗の傍に駆け寄り、肩をポンッと叩く。
「だな！雛麗、絶対お前の妹を助けるぞ！」
ビスタも雛麗に声をかけ、仲間の船員が次々と雛麗に言葉をかけた。
その光景を見て、俺はいつの日かの時を思い出した。
「…親父……俺ァ…」
「…なんだ?」
「…………いや、何でもねぇ!!」
「…なんだ、変なやつだなァ?」
俺があの時思ったことが、雛麗の中にもあるだろうか。そう思った。
そんな当たり前の事を聞くのは、野暮なことだ。
「雛麗！お前の妹を救うぞー！！」
大声で叫び、雛麗に駆け寄る。
雛麗に「うるさいよ!」なんて言われたが、そんな事さえも、この瞬間や一時を大事に思えた。
「そうと決まれば目的地まで前進だな！」
そうサッチが言った時だった。
「ちょっと待ってください！！」
という数人の声が響き渡った。
しんと静まり、声のした方を見る。
するとそこには＿＿＿
「ナ………ナースの皆さん……???」
が、立っていた。
「ちょっと考えがあるの。いいかしら?」
。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 768人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
【ワンピース】"L"の紋章を持つ者の行く先２【ONEPIECE】 不死の魔法使いの子育て【ＯＮＥ PIECE】【男主】 【ワンピース】100円でエアガン取ったらワンピの世界とかそれマ？続編【白ひげ海賊...
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さなら(プロフ) - ゆーなさん» ありがとうございます!!とても嬉しいでお言葉です……! (2022年8月25日 6時) (
レス) @page45 id: 2837963d9b (このIDを非表示/違反報告)
ゆーな(プロフ) - とても面白くてハマりました！続きが気になります！ (2022年2月28日 23時) (レス) @page40 id: 83b0960623 (このIDを非表示/違反報告)
さなら(プロフ) - みぃさん» わーーありがとうございます!!(;_;)その言葉がとても励みになります!コメントありがとうございました!! (2019年9月21日 13時) (レス) id: 9060a73daa (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - この作品とても大好きです！更新頑張ってください。応援してます。 (2019年6月10日 22時) (レス) id: d77d134be6 (このIDを非表示/違反報告)
さなら(プロフ) - ラナさん» わーありがとうございます！；；はい！これからどんどん面白い展開にしていきたいと思います!!頑張ります!!(*´`) (2019年6月2日 4時) (レス) id: 9060a73daa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
