第34話 仲直りの様な不思議な ページ34
「雛麗」
エースに名前を呼ばれる。
「なに?」と返す。
「…え…」
一瞬ぎくっとした。
目をまるくした。
だって――――…
エースが嬉しそうに笑っているから。
「ありがとな!雛麗!」
「へ…?」
何故お礼を言われているのか?
それよりも何故エースはこんなに笑顔になったのだろうか?
「な、なんで…?」
「ああいや…嬉しかったんだ。そう思ってくれていた事が。親父や仲間達に対しても、俺に対しても」
照れ臭そうにエースは語る。
「…………」
自分はそこまで重大だと認識はしてなかった。
“ただ自分の意志を伝えたい”
そう思っただけだったのだ。私は。
そんな思いに対してそこまで喜んでもらえるとは。
「…思っていなかったな…」
ポツリと呟く。久々に感じる温かく込み上げるこの感覚は、“あの日”以来かもしれない。
「ん？でも待って」
でもなんか落ち込んでたよね?
こう、しゅんとしてるというか何というか
「落ち込んでなかった?エース」
「ん?あー…あれな…あれは…」
「あれは?」
「あれは…その、何つーか…マルコに先されたっつーか何てーか……」
ごにょごにょと濁すエース
やっぱりあれか。サッチの言ってた事は強ち間違ってなかったのか
「うーん…まぁ別に執拗には聞かないけど。ただ」
私はもう1つ大事な事を伝える。
「私にとってこの世界で初めての友達は、エースだよ」
自然と笑顔になる。伝えたい事を伝えられている。こんなに嬉しいんだとまた思い知らされる。ただの言の葉でも、声に出して伝えるのはこんなに楽しいのだ。
「まぁ、初め疑われて敵意むき出しにされたのは忘れないけどネー」
「な!?そりゃもう前に謝ったろ!?」
「本人が許さなきゃ許された事にはなりませーんヨー」
「ひっで！」
他愛ない会話でお互い思わず笑う。
別に悪い事をした訳じゃないけど、不思議な仲直りの様な感じ。
「まぁでもよ、ありがとよ。ちゃんと言ってくれて」
「……うん!」
何故か分からないけどエースの目に一瞬、火の粉が散らついたのが見えた…様な気がした。
「おーおー、お二人さんだけで盛り上がってンのかー?」
後ろからいつもの陽気な声が聞こえてきた。
「俺も混ぜろー！おめェ等ー！」
サッチに後ろからエース共に肩を抱かれる。
「えーこれセクハラじゃないノー?」
「ひどくない!?これスキンシップのつもり！」
「どうだかネ〜?」
そんな他愛ない話の中、船は出向の合図を告げたのだった。
。
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さなら(プロフ) - ゆーなさん» ありがとうございます!!とても嬉しいでお言葉です……! (2022年8月25日 6時) (
レス) @page45 id: 2837963d9b (このIDを非表示/違反報告)
ゆーな(プロフ) - とても面白くてハマりました！続きが気になります！ (2022年2月28日 23時) (レス) @page40 id: 83b0960623 (このIDを非表示/違反報告)
さなら(プロフ) - みぃさん» わーーありがとうございます!!(;_;)その言葉がとても励みになります!コメントありがとうございました!! (2019年9月21日 13時) (レス) id: 9060a73daa (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - この作品とても大好きです！更新頑張ってください。応援してます。 (2019年6月10日 22時) (レス) id: d77d134be6 (このIDを非表示/違反報告)
さなら(プロフ) - ラナさん» わーありがとうございます！；；はい！これからどんどん面白い展開にしていきたいと思います!!頑張ります!!(*´`) (2019年6月2日 4時) (レス) id: 9060a73daa (このIDを非表示/違反報告)
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