第5話・衝突 ページ6
松陰寺side
最後の仕事を終えて､デスクに座りその時が来るのを待つ｡
加賀巡査に何してたか聞かれたが､上手くはぐらかしておいた。
司令官が気づくのはせいぜい30分後くらいだろう｡
これで、全てが上手くいく。
ｰｰｰｰｰｰｰｰ
「松陰寺…お前 …俺がどんな思いで見逃してやったと思ってんだ……」
怒りで歪む伊達司令官の顔｡
俺は今から最高の最低男になるんだ｡
相手をとことん裏切る｡
「頼んでませんけど？っていうか､やらされてたっつーか、やりたくてやってるんで」
鼻で笑いながら言い放つ｡
「なんだと…お前いい加減にしろ！」
廊下に響き渡る大声で怒鳴った｡
「伊達司令官！落ち着いてください｡…松陰寺､お前自分が何したのかわかってるのか？」
富澤副司令官が間合いに入った｡
「もちろんです」
ここから一気に追い詰める｡
「ほんっと､皆さんバカにも程がありますよ｡
ちょっとしたらすぐ信頼しちゃうんですから｡」
「っ……！」
「あれ？怒ってます？あはは」
「伊達司令官…｡おい、兼近達の事はいいのか？わるいと思っていないのか？」
伊達司令官の言葉に思わず息が詰まった｡
本当は罪悪感でいっぱいだ。
初めて味わう､気持ち｡
誰かに大切にされたのも、誰かを大切にしようと思ったのも､ここが初めてだったから。
でも､そんな任務に邪魔な感情は捨てていかなければ｡
「兼近？あぁ、別に｡あいつらなんて所詮ただの道具っすよ」
気持ちとは真反対の言葉を放つ｡
と、その時｡
「ぅ、そ」
後ろから聞こえた声に振り向く｡
誰がいたかなんて､予想どうり｡
「！兼近…どうしてここに……」
パトロールに行っている隙をついたはずなのに｡
「イ､ンジさん…今の､嘘、ですよね？ねぇ？」
上手く笑えてない笑顔にチクリと胸が痛んだ｡
だけど、
俺は必要とされることだけを｡
しなければ｡
「は？嘘な訳ないだろ」
「……そ、んな､だって､インジさんは俺の相棒で、1番の先輩､で、それでっそれで
「君がみていた俺はもう､どこにもいないよ」
冷たく言い放ったが、嘘ではない｡
兼近といた「松陰寺巡査」は俺の中にもう存在しないから｡
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梵天ぼんちゃん(プロフ) - おや！そうだったんですね。良かったです。ありがとう御座います。 (2021年8月26日 18時) (
レス) id: 77110d258d (このIDを非表示/違反報告)
アシA - ご心配おかけして申し訳ございません！これから少しずつ書かせていただきますね！ (2021年8月26日 18時) (レス) id: 26f7606c1b (このIDを非表示/違反報告)
梵天ぼんちゃん(プロフ) - 初めまして、梵天と言います。興奮してめちゃくちゃはまりました。続きが気になって仕方がないのですが、お元気にお過ごしされてるのですか？つづくのでしたら、楽しみに待ってまするね (2021年8月23日 1時) (レス) id: 77110d258d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アシA | 作成日時：2021年5月24日 15時
