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第2話・演技力 ページ3

兼近side

「うあー、疲れたぁー」

体力的にも精神的にも疲労を感じ、ドサッと椅子に腰掛けた。

「なんでそんなに疲れてフィるんだ?」

隣の席にいる松陰寺先輩が声をかけてきた。

「なぁ〜んかぁ、伊達さんが大事な資料が無くなったって騒ぐから探すの手伝わされたんっすよォ。マジ1個1個確認するの神経すりへるぅ〜」

「へぇ〜、それって資料室の?」

「…そっすけど…よく分かりましたね」

おかしいな、松陰寺先輩にはまだ伝わってないっぽかったのに。

「あ、あぁ。何となく」

なんか不自然だな…。

なんて考えていたその時、

「松陰寺、岡部。いるか?」

伊達さんが来た。

「俺ならいますけど」

「そうか、じゃあお前だけでも。ちょっと来てくれ。」

ーーーー

伊達side

あの資料はとても大切なものだ。

盗んだりしたらそれこそ犯罪に相当するレベルの。

簡単に言うと「日本警察総合管理署」、通称「JPK」と呼ばれる大きな機関から特別に配布されたもので、門外不出はもちろんのこと、勤務している巡査達でさえ見ることを許されないデリケートな書類だった。

それが…

「無くなったんですよね」

「あぁ」

「それで…何故俺が?」

「そのだな、資料室の監視カメラにお前が…その資料を盗るところが映っていたんだ」

そう。監視カメラにバッチリと。

「まさかだがそんなこと、してないよな…?お前はそういう奴じゃないよな?」

こいつが、盗みなんてするはずない……
と、信じたかったんだ。

「…。はい、それは、俺、です」

松陰寺は、俯いたままそう一言呟いた。

「……………ぇ」

ちょっと待て。聞き間違いか?

「いやいや、嘘…だろ?」

「……………」

返事は返ってこなかった。が、態度、表情で充分すぎる。

「お前…なのか…」

今、ここでこいつを見逃すという手もある。

しかしそんなことをして、もしも上層部にでもバレたら俺の首がとぶ。

それどころか、警察官としてするべきことでは無い。

「なんでこんなことをしたんだ?」

「…頼まれたんです」

「誰に?」

「…………」

「言えないのか」

俺は一体どうすればいいんだ…。

俺がとるべき行動…。

「松陰寺、よく聞け――――」

ーーーーーーーー

松陰寺side

クソっ。

さっさと終わらせてしまいたかったのに。

苛立ちを抑えきれず、ガシガシと頭をかく。

ボサボサにセットしてあった髪が更にボサボサになる。

俺の演技が、人情を煽りすぎたんだ。

次はもっと上手くやらなくては。

第3話・冷たい手は→←第1話・違和感



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梵天ぼんちゃん(プロフ) - おや!そうだったんですね。良かったです。ありがとう御座います。 (2021年8月26日 18時) (レス) id: 77110d258d (このIDを非表示/違反報告)
アシA - ご心配おかけして申し訳ございません!これから少しずつ書かせていただきますね! (2021年8月26日 18時) (レス) id: 26f7606c1b (このIDを非表示/違反報告)
梵天ぼんちゃん(プロフ) - 初めまして、梵天と言います。興奮してめちゃくちゃはまりました。続きが気になって仕方がないのですが、お元気にお過ごしされてるのですか?つづくのでしたら、楽しみに待ってまするね (2021年8月23日 1時) (レス) id: 77110d258d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アシA | 作成日時:2021年5月24日 15時

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