第16話・本心 ページ17
富澤side
廊下の向こうからやってくる人物を見て、深く後悔した。
あと2秒早く部屋を出ていれば、と。
「副司令官！」
彼らは自分の存在に気がつくと大喜びでかけてきた。
「…なんだ」
諦めて彼らを受け入れる。
「インジさんが資料盗んだって本当っすか？」
ぴしり、と体が固まったのが自分でもわかった。
完全に思考がシャットアウトした。あぁ、動揺するなんてプロとして恥でしかない。こんな状態じゃ、よくないことが起こるのがつきものだ。
「なんでお前がそれを知って…」
気がついた時にはもう遅い。
「やっぱり！」
何してんだよ、俺。
「お前には関係のないことだ、俺からは何も言えない」
そう告げ早足で退散を試みたが囲まれてしまった。仮にも上司なのだが。
「そこをなんとか！俺たちの大切な先輩なんです！このままじゃ、このままじゃ納得いかないんです！」
頭を下げる兼近が哀れに見えた。教えてやりたいのは山々だ。でも、そればかりは簡単にいかない。
「俺だって、言えるなら言いたかった。でも、無理なものは無理なんだ。あくまでも事件を一つ揉み消していることになるんだぞ？」
う、と黙ってしまった可愛い馬鹿どもに申し訳なさを感じる。
そんな感情がつい余計なことを口走った。
「J P K」
「え」
「もう調べはついてんだろ?あとは自分達でなんとかしろ」
それだけ行って今度こそその場を離れる。
きっと罪悪感だけじゃない。
そんなことにはもう気がついている。
俺だって、俺だって、あいつらよりもっと早くから奴を見てきた。
すこしだけ、すこしだけ、彼らに自分の思いを託しているんだろう。
振り向かずに、
「あとは、頼んだ。できることは、やってやらなくもない」
なんて、カッコつけすぎだな。
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梵天ぼんちゃん(プロフ) - おや！そうだったんですね。良かったです。ありがとう御座います。 (2021年8月26日 18時) (
レス) id: 77110d258d (このIDを非表示/違反報告)
アシA - ご心配おかけして申し訳ございません！これから少しずつ書かせていただきますね！ (2021年8月26日 18時) (レス) id: 26f7606c1b (このIDを非表示/違反報告)
梵天ぼんちゃん(プロフ) - 初めまして、梵天と言います。興奮してめちゃくちゃはまりました。続きが気になって仕方がないのですが、お元気にお過ごしされてるのですか？つづくのでしたら、楽しみに待ってまするね (2021年8月23日 1時) (レス) id: 77110d258d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アシA | 作成日時：2021年5月24日 15時
