第13話・どうしたら… ページ14
美希side
「兼近先輩」
「…………」
「兼近先輩っ」
「…………」
「兼近先輩っ！」
「うわぁ、ごっごめん｡どしたちゃん美希？」
彼、松陰寺さんがいなくなってからずっとこんな調子｡
「ちょっと外でお昼ご一緒しませんか？」
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
「なるほど…｡で、兼近先輩は自分がどうしたいのか分からなくなっている､と」
「うん…そんなとこ…」
かなり深い悩みだ｡
「でも､岡部先輩の言ったことは本当だと思います」
手を差し伸べるだけ差しのべて､その手を取ろうとしたら､ひっこめられるようなものだ。
傷つかないわけが無い､それも兼近先輩だし｡
「俺どーしたらいんだろ…」
ぼんやりと外を見つめる彼は相当悩んでいるのだろう､いつもの元気さが感じられなかった｡
ベストアンサーを教えられる程私は賢くない｡
だけど､道を一緒に考えるくらいなら｡
「んー、兼近先輩が松陰寺さんって聞いた時に1番初めに思いつくのは何ですか？」
「……｡優しそうな笑顔」
「それはどんなシチュエーションですか？」
「えっと…？俺が冗談を言った時…？」
「それがきっと兼近先輩が1番松陰寺さんとの思い出の中で1番多い事なんでしょうね」
「ぅん…」
「兼近先輩は松陰寺さんにまた会いたいんですか？」
「そこなんだよなぁ､会いたいけど､別れるのはいや｡」
「ってことは離れたくないってことですか？」
「そうかも…」
「じゃあまた一緒にいたいってこと？」
「！そう！それだ！俺、インジさんを取り戻したいんだ！同じ日常､あの笑顔､全部全部取り戻したいんだ…」
ガタッと立ち上がった兼近先輩の目には強い決意が宿っていた｡
「良かったですね､答えが見つかって｡」
「ちゃん美希…ありがとう」
「いえいえ」
好きな人が悩んでたら､これくらい…｡ね｡
「でさ、もう一個お願いなんだけど…」
「？」
「手伝ってくんね…？インジさん取り戻すの」
「っ……ずるい…」
「ぇ？」
ずるい､そんな顔で言われたら断れない｡
「いいですよ､私も松陰寺さんいないの退屈ですし｡」
「ぃやったー！ちゃん美希マジ神〜」
「ハイハイ､そろそろ時間なんで､戻りますよ」
いつも通りの彼に思わず少し笑みがこぼれた｡
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梵天ぼんちゃん(プロフ) - おや！そうだったんですね。良かったです。ありがとう御座います。 (2021年8月26日 18時) (
レス) id: 77110d258d (このIDを非表示/違反報告)
アシA - ご心配おかけして申し訳ございません！これから少しずつ書かせていただきますね！ (2021年8月26日 18時) (レス) id: 26f7606c1b (このIDを非表示/違反報告)
梵天ぼんちゃん(プロフ) - 初めまして、梵天と言います。興奮してめちゃくちゃはまりました。続きが気になって仕方がないのですが、お元気にお過ごしされてるのですか？つづくのでしたら、楽しみに待ってまするね (2021年8月23日 1時) (レス) id: 77110d258d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アシA | 作成日時：2021年5月24日 15時
