第12話・生まれて来なければ ページ13
松陰寺side
何とか涙を押し戻して､駆け足に署へと戻った｡
「おー、帰ってきた」
俺の姿を見つけると同時に絡んできたのは､1番嫌いな奴らだった｡
彼らは地位は俺よりも下だけど、この署で１位２位を争うキャリアの長い人｡
最近この人に目つけられてるんだよな。
「ぁ…お疲れ様です」
「おい､さっきの奴誰なんだ？」
「前潜入していた所の後輩だった人です」
「へぇ〜､お前そいつのこと大事？」
「別にっ……」
ここでYESと言ってしまったら､俺のスパイ人生が終わってしまう。
「そっかぁー残念だな。じゃあこの怪我､ボスに見せちゃおっと」
そう言ってわざと俺に見えるようにスーツの袖を捲りあげた｡
そこには結構のアザが出来ていた｡
「ぇ…」
兼近がこれをつけたとでも言うのだろうか｡
「これ、見せたらボスどうするんだろーね？松陰寺君？」
「お前らっ……」
きっとこの怪我だって自分で作った物なんだろう｡
「言われたくなかったら俺らの言うこと聞くんだな、ハハ」
ｰｰｰｰｰｰｰｰ
「がはっ…う…ぐっ…ぇあ」
手足は拘束されていないけど､それはそれで抵抗できないもどかしさがある｡
こっちの方が辛い｡
わざと見えないところに殴るのもこいつらの嫌なとこ｡まぁ、あの男と同じか､こいつらも｡
「お前さぁ､生意気なんだよね｡まだ若いくせにボスに取り入ってさ｡マジムカつくわぁ。みんなそうおもってっからよ」
「ぐぁっ…っ」
そうだよな…ぽっと出の俺なんて、こいつらからしたら､ずるいやつなんだよな｡
全部俺が悪いんだよな…｡
俺だけのせいでこんなに大勢を苦しめた｡
俺なんて生まれて来なければよかったのに｡
そうすれば、誰も傷つけずに済んだのに｡
薄暗い空き部屋に､俺のうめき声と嘲笑う声､人を殴る鈍い音がこだました｡
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梵天ぼんちゃん(プロフ) - おや！そうだったんですね。良かったです。ありがとう御座います。 (2021年8月26日 18時) (
レス) id: 77110d258d (このIDを非表示/違反報告)
アシA - ご心配おかけして申し訳ございません！これから少しずつ書かせていただきますね！ (2021年8月26日 18時) (レス) id: 26f7606c1b (このIDを非表示/違反報告)
梵天ぼんちゃん(プロフ) - 初めまして、梵天と言います。興奮してめちゃくちゃはまりました。続きが気になって仕方がないのですが、お元気にお過ごしされてるのですか？つづくのでしたら、楽しみに待ってまするね (2021年8月23日 1時) (レス) id: 77110d258d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アシA | 作成日時：2021年5月24日 15時
