第11話・勘違い ページ12
兼近side
「ふぅ、結構走りましたね､インジさ……ぇ」
振り返るとそこには誰もいなかった｡
「嘘……｡インジさん…？」
ｰｰｰｰｰｰｰｰ
「パシン」
冷たく切り裂くような音が部屋に響いた｡
同時に感じる頬の痛み｡
「兼近､お前､ふざけんじゃねぇぞ」
伊達司令官のドスの効いた声｡
「おい！聞いてるのか?!お前がしでかしたことはな､本来なら退職レベルなんだぞ？それを向こうがなかったことにしてくれたからよかったものの…！勝手にされちゃ､困るんだよ！」
「すいません…」
「はぁ､気持ちはわからんでもないけどな｡
お前1番仲良かったし｡だが、あんなやつのことなんか､もうｰｰｰｰ」
「あんなやつ？インジさんが…？」
カチン､ときた。
仮にも相棒｡
「俺に心を開こうとしてくれたんすよ！きっと事情があって､こうなったんだ､今までのこと全部！司令官、このままでいいんですか？！」
「このままでいいと思っていない訳では無い｡だがな､お前は何も知らないからいいが､俺は2度､あいつに裏切られている｡」
「っ……」
「そういう事だ､ほら早く戻れ｡今は1人にしてくれ」
ｰｰｰｰｰｰｰｰ
「兼近､松陰寺さん､どうだった？」
気を使うように話しかけてきた岡部先輩｡
「巡査服じゃなくて､スーツ着てました｡
刑事みたいな｡」
「へぇ〜あの松陰寺さんがスーツねぇー」
「…………」
「…兼近…。何があったかはわからんが､とりあえず､頑張ったな」
「うぅぅ……」
「泣くなって〜｡まだ諦めてないんだろ？」
「当たり前っす」
「ハハ、普通そこで挫けるけどな…｡」
「…」
「お前さ、勘違いしてるみたいだけど松陰寺さんは最初から、あの御方の元で働いているんだ。俺らよりもずっとずっと上で｡ここで働いていた訳じゃない」
「ぁ……」
そうだった｡
俺にとってはここにいた大切な先輩､だけどあの人からしたら仕事の一環で出会っただけの警官。
そもそもの気持ちが違った。
「でも……」
「うーん、兼近を責めようという訳じゃないんだけど…兼近はどうしたいんだ？あの人にあったところで､何がしたいんだ？また別れることになるだけだろ？」
「俺は…」
俺は何がしたいんだ？
俺は彼をどうしたいんだ？
……わからない｡
答えに詰まった俺に岡部先輩はピシャリと言い放った｡
「この際だから厳しく言っておく｡兼近､そんな
あやふやな思いであの人に関わるな｡お前自身の手でもっと深く傷つけることになるぞ」
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梵天ぼんちゃん(プロフ) - おや！そうだったんですね。良かったです。ありがとう御座います。 (2021年8月26日 18時) (
レス) id: 77110d258d (このIDを非表示/違反報告)
アシA - ご心配おかけして申し訳ございません！これから少しずつ書かせていただきますね！ (2021年8月26日 18時) (レス) id: 26f7606c1b (このIDを非表示/違反報告)
梵天ぼんちゃん(プロフ) - 初めまして、梵天と言います。興奮してめちゃくちゃはまりました。続きが気になって仕方がないのですが、お元気にお過ごしされてるのですか？つづくのでしたら、楽しみに待ってまするね (2021年8月23日 1時) (レス) id: 77110d258d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アシA | 作成日時：2021年5月24日 15時
