くまさんとはちみつ

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Side：BLUE



「ねえ、しんたr」

『あいつ、朝から調子悪そう』

「…やっぱそうか」

北斗は今朝の楽屋から気づいていたらしい。いつの間にか、時計の針は真上を指している。

『慎太郎、頭痛いの隠そうとしてるっぽいよ』

「…だよな」


流石は芸歴15年以上だ。撮影中、慎太郎はダントツの笑顔を見せて、カメラマンさんに褒められていた。
風磨がプロだと言ったアイドルスマイルは、伊達じゃない。


『さっき、慎太郎顔引き攣ってた』

「…どうする？」

『あとワンシーンで午前は終わりだけど、午後もあるし』

「昨日の分、慎太郎だけやってないから午後も長そうだね」

『とりあえず、慎太郎に気づかれないように支えるしかないか』

「昼休憩入ったら、楽屋で休ませよ」


分かった、という北斗の目にも軽く動揺が走っているのがわかる。
北斗が体調悪い時、慎太郎はいつも明るく励ましている。
でも今は、太陽のような末っ子が、エネルギーを失っているのだ。

とにかく、慎太郎が俺らに気を遣わないように、急いでスタジオに戻った。

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