【募集企画】茜色のヴェール【小説】

11話いつも通りの。【美咲】 ページ12

みゃあ。

ポスン。

寝ていると、急に体が重くなった。

今までの経験上、金縛りではない。

まだぼんやりとした意識のまま、私の上に乗っていたものに声をかける。

「おはよう、コーヒー。今日も私より早起きなのね。」

みゃあ

当たり前だよと言っているのだろうか、もう一度コーヒーは鳴く。

自室の外に出て扉を開けると、お決まりの席でリリアさんがうつらうつらとしていた。

「おはようございます。今日も散歩行ってきますね。」

彼女はまだ寝ぼけたまま

「いーって、らっしゃーい」

と、言い再び夢の世界に入っていった。

「コーヒー。散歩に行こう。」

愛しの猫をお供に、

私は今日も散歩に出た。

いつも通りの平和な日常。

ドアを開け外に出ると朝日が体に降り注ぐ

まだ、冷たい風が吹いていて思わず身震いする。

マントを持ってくればよかったかもしれない。

少々後悔したが、取りに行くのも面倒なので私は仕方なくいつもの道を歩き始めた。

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