96話 ページ18
(澤村side)
姫白は姉が青井であると
そして姉は今年の春の卒業をいい機会に
姿を消したといった
でも、それ以外に知ることはなかった
姫白「他に知りたいことはありますか？」
それもあってその問いに俺はすかさず
青井の所在を問い詰めると
戸惑う様子もありつつも話し出した
姫白「詳しくはわからないのですが、
少なくともこのホテル内に
留まっていないと思いますよ。」
菅原「え？」
澤村「どういうことだ？」
姫白の言葉にここにいるほとんどが
意味が分からないという顔をした
姫白「姉はとある出来事をきっかけに
彼らを極度に嫌っています。」
姫白「それも、彼らの話を聞くだけで
気分が悪くなるほどに。」
姫白「ましてや、同じ場所にいるなんて
以ての外です。」
姫白「だから姉は東京から離れた。」
姫白「名前や容姿を変えたのだって、
彼らに見つからないためです。」
悲しみと悔しさが混じったような
なんとも言えない表情を浮かべ
しかし、瞳は真っ直ぐ俺達を見つめて
姫白はそういった
姫白「バスケ部にピンク髪のマネージャーが
いたでしょう？
彼女の情報収集能力は学生とはとても
考えられないほどに秀でている。」
姫白「そんな彼女と赤司財閥の御曹司が
組んでしまったら、本名のままでは
日本…いや、世界のどこにいても
数日で迎えが来ますよ。」
姫白「とはいえ、変えても数ヶ月しか
持ちませんでしたけどね…。」
青井を苦しめるキセキに対する嫌悪
青井のために何もできない無力さ
そうやって青井のためにと色んな感情に
姫白は苦しんでいるように見えた
澤村「そうか…。」
だからとても疑えなかった
これ以上何も言えなかった
これ以上は姫白を傷つけると思ったから
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明けましておめでとうございます(◡ ω ◡)ﾍﾟｺﾘ
今年も本作をよろしくお願いします。
作者 消えた黒猫
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作者名：消えた黒猫 | 作成日時：2021年3月31日 8時
