ヒロインなんて【HQ】

ヒロインなんて8 ページ9

ちょっと待って欲しい。









「待って！本当に！1回止まって！」









もうそろそろ。怒るよ？









皆さん、忘れてはいけない。私は今トロンボーンを持っているのだ。









もう1回言おう。トロンボーンを持っているのだ。









それで、走るんなんて。しかもバレー部…運動部の速さで。









私が待ってと言っても止まらない。









流石に…ねぇ？









…ブチッ









「ちょっと待て言うてるやろ、1回待たんかい！なんなん？自分耳悪いん？その耳は飾りなん？良い耳鼻科紹介したろか？このトロンボーンに傷付いたらどうしてくれんねん！」









一気に言ってやった。後悔はしてる。反省はしてない。









…後悔はしてるどころじゃない。もう穴があったら埋まり倒したいぐらいやらかした。…つい。









当の引っ張っていた本人はこっちを向いてポカーンとしている。









もう某モンスターゲームのコダ○クに負けず劣らずの顔だ。









「え、今のAちゃんが言ったの…？」









「いや、今のは録音の声です。」









自分で言ってても思った。流石にこれは無理がある。









「え、なに？関西の人だったの？」









「だから、あれは録音ですって。」









1番やらかしてはいけない人にやらかした気しかしない。









でも、トロンボーンを守れたから良いや。









「え？なになに？そっちが本性？もう1回言ってみてよ！」









前言撤回。なにも良くない。

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