ヒロインなんて【HQ】

ヒロインなんて5 ページ6

……私は何も見てない。何も聞いてない。









さっきそう決意したんだよ。









なのに、…なのになんでこいつは話掛けてくるんだよｯ!!









「あっれ〜Aちゃんじゃん。今の聞いてた〜？」









トサカヘッドめ！その頭カッコよく無いんだよ。勘違いすんなよ。









「何か話していたんですか？それなら聞いていませんよ。」









いつものように笑顔で返す。









「ふ〜ん。なら良いけど。」









こっちはこっちで怪しいな。笑顔が。









…っていうかなんで名前呼びなんだよ。接点そんなに無かっただろ。









人類みな友達かよ。








それより、これ重い。指が痛くなってきた。早く部活行きたい。








早くダンボール箱を置こうと黒尾さんの横を通ると、急に視界が広くなった。







「うわぁ結構重いなこれ。」









そう言う黒尾さんとは反対に私の腕の中には何も無く、軽くなった。







「…え？」








「すげぇな。女子ってこういうの男子に頼むんじゃねぇの？」









「いや、先生に頼まれたので。それより邪魔しないで欲しいのですが…」









多分今の笑顔引きつってる気しかしない。








ていうか、切実に邪魔しないで欲しい。もう置くだけなんだから。









「まぁまぁ、俺に任せなさいって。」









私の言葉に対し答えにもなってないような返しをされた。









そのまま黒尾さんは机にそのダンボール箱を置いてくれた。









とは言ったものの少し考えて欲しい。









なんか凄い最後の最後で手柄取られた感じするのは私だけなのだろうか。

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