検索窓
今日:16 hit、昨日:46 hit、合計:163,533 hit

ヒロインなんて43 ページ49

こんなに走ったのは何年ぶりだろうか。








あ、確か去年のコンクールの時もマッピを学校に忘れてしまってこんだけ走ったかもしれない。









途中で道を間違えてしまいながらも走り続けた。









靴の音が耳に残る。









もう冬な筈なのに髪の毛は汗でベトベトし、首に引っ付いている。









…やっと着いた。








表札には“黒尾”の文字。








深呼吸をして呼吸を落ち着かせる。








ふぅ…いける。大丈夫。








意を決してインターホン押す。








家の中で響いている。








それから直ぐに騒がしい足音が聞こえた。









「…Aッ?!」







鉄朗が家の中から出てきた。









どうしよう。何言うか決めてなかった…









うん。でも言いたいことはあるよね









「えーと、ごめん!この前話聞かなくて。」








私が思いっ切り頭を下げると上から鉄朗の声が聞こえた。









「いや、全然良いんだ。俺、Aに話したいことがあるから家の中、入ってくれねぇか?」









予想外の言葉だった。







「え、うん!」









緊張しながらも家の中に入ると、鉄朗の匂いがふわっと香った。








勉強会をした日以来久しぶりに入った鉄朗の部屋。









そして、正座をする私達。









「あ、お茶どうぞ。」








「どうも。お手前頂戴いたします。…ふふっ」








「ふっ、急に茶道かよ。」









ピンと張っていた空気が一気に和らいだ。









「それで、俺が言いたいのはAに春高見に来て欲しいんだ。誰でもない、Aが良いんだ。」









もし、ここで断れば前の関係に戻ってしまう。









それに私の答えは決まっている。









「うん。絶対行くよ。」








前なら菜々美が居るならって思ってたかもしれない。









でも、今はそんなの関係ない。









私が見に行きたいんだからいくんだ。









「ありがとう。」









鉄朗は私に向かって、今までに見たことなのないぐらいの柔らかい笑顔で微笑んだ。

作者からのお知らせ→←ヒロインなんて42



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (74 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
217人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作者 - 御世さん» コメントありがとうございます!稲荷崎…それは…!(笑)是非書かして頂きます!これからもよろしくお願いします!! (2020年7月30日 20時) (レス) id: 612706aa0d (このIDを非表示/違反報告)
作者 - 彼方さん» コメントありがとうございます!拓真君落ちですね。ありがとうございます!オリキャラを希望して頂きとても嬉しいです!これからもよろしくお願いします!! (2020年7月30日 20時) (レス) id: 612706aa0d (このIDを非表示/違反報告)
御世(プロフ) - 続編楽しみにしています! (2020年7月30日 18時) (レス) id: 1bd4f46512 (このIDを非表示/違反報告)
御世(プロフ) - 意外と稲荷崎の誰かとのオチもいいかも…! (2020年7月30日 18時) (レス) id: 1bd4f46512 (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - 黒尾落ちもいいですが、拓真君落ちも見てみたいです。続編待ってます!更新頑張ってください (2020年7月28日 23時) (レス) id: 810f7199ac (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:作者 | 作成日時:2020年5月27日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。