ヒロインなんて【HQ】

ヒロインなんて38 ページ44

「とりゃー！」








ｶﾞｺﾝ









《しゅーりょう！また遊びに来てね！》









結果は引き分けだった。









…最後にギリギリ入って良かった。









「いやぁ2人とも凄かったよ〜！」









「えへへ。ありがとう。」









佳代とハイタッチをしていると拓真が不機嫌そうな顔でこっちにきた。








「次は勝ってやる。」








「こっちこそ。」









そう言うと拓真はふわっと笑って









「やっぱ俺にイラついてる顔は向いてないわ。」といった。









いえ、十分向いていますよ。








しかしそれを口には出来なかった。なんとなく。









それから近くの公園のベンチで色んな話をした。









今度は遊園地行きたいねとか。勉強がやばいとかそんな話。









誰とでも出来そうな会話だけど、この4人でしているとより楽しく感じた。









「もうそろそろ帰らないとだね〜」









佳代がそういうので時計を確認してみると既に18時を回っていた。








「なんか時間経つの早いね。」









もっと遊んでいたかったな。









後、何回一緒に遊べるんだろ。









「じゃあ帰ろっか。」









なんて考えたって時間が止まるわけじゃないし。









「あぁー！Aまた暗い顔になってる！」









そういい、佳代にほっぺたを引っ張られた。









「ちょっと蓮！一発ギャグいこ！」









「え、えーと…ゴホンッ。カレーを華麗(カレー)に食べる…」









……









「え、ちょそれは…」









「は〜？なんやねん！急にふってきといて」









「ふっふふふ」








「ほら！A笑っとるやん！」








「あれはしけ笑らいって言うんだよ。」








「おい！拓真まで！」









なんか悩むのが馬鹿らしくなってきたな。









この関係が変わるかもって心配するんじゃなくて、私達が変えないようにしなくちゃだよね。









「やっぱりAは笑ってる方が断然良い！何に悩んでるのかは分かんないけど私達は味方だから！」









「うんありがとう！」









そうだよね。私には心強い味方がいるんだから。









しっかりしないと









少し心配そうな佳代の顔が見えた気がした。

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