ヒロインなんて【HQ】

ヒロインなんて10 ページ11

そう言われ、辺りを見回す。








「えーと、ここ何処ですか？」









「公園。」









それは、見たら分かる。ここは、私の家の近くの公園だからな。








昔は…ってか今もだけどここの公園って広いからよく使ってたんだよね。









じゃなくて。




「テスト勉強というのは？」









「それは、明日からよろしく。」









あ、結局私は行かないといけないんですか。









1人でのんびり勉強したかったんだけど。









そんなことを私が考えている間にも黒尾さんはブランコに腰を下ろした。









もう既に空は暗くなりかけている。









私は、黒尾さんの隣のブランコに腰を下ろし、まだ薄らとオレンジのグラデーションが残っている空を見上げる。









「で、今日ここに来たのはお前と話したかったんだよね。」









「そうなんだ。」









お互いに空を見上げながら話す。









というか、話したかったってなに…？









「菜々美が仲良い子ってどんなんかな〜って気になってて。」









あぁ、そういう系ですか。









私は愛され系ヒロインなんて言うけど、所詮そこまで。









この人みたいに、菜々美が仲良い子ならきっと良い子だよね。って何回も話し掛けられて。









友達になって。









でも、結局その子の中の1番は菜々美で。









だけど、菜々美は言うんだよ。









「やっぱヒロインって良いね。私はモブインだから。」って。









確かに私は菜々美より友達がいる、でも…









「おーい聞いてる〜？」









「聞いてるよ。」









そうだ。もしかしたらこの人は、ちゃんと私を見てくれるかもしれない。









なんて何回思っただろうね。

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