転生したらシスコン音柱の妹でした

やってしまった ページ1

......やってしまった。

　傷心の義勇さんを慰めるどころか声をあげて泣きながら叩いた上に、馬鹿とか言ってしまった。

　私だったら絶対私みたいな奴と友達になれないわぁ。絶対無理。自分から距離置く。

　この場所に居るのは三人。

　錆兎たちが死んでしまった悲しみにボロボロと涙を溢している義勇さん。

　私が包丁を放り投げ玄関へ直行したことを怒っている鱗滝さん。(怒っているのは包丁が地面に突き刺さっていたことについて)

　錆兎たちが死んでしまって悲しいやら、さっきの失態が恥ずかしいやら、地面に包丁がを突き刺してしまって家に傷をつけてしまい申し訳ないやらでもうメンタルがボロボロな私。

　穴があったら入りたい。

　時を巻き戻せるなら戻したい。

　義「ねぇ、A＿＿」

　義勇さんが口を開く。

　『ひいっ！！ごめんなさいっ！！反省しています！許してください！！』

　『殴るなり、蹴るなり、煮るなり、焼くなり好きにしてくださいっ！！でも、煮るのと焼くのはやっぱり止めてくださいっ！！』

　持っていたお玉を乱暴に鍋のなかに突っ込み額を地面につける。

　義「うぇ？なんで謝るの？おれ、Aにありがとうって言いたくて...」

　ありがとう？私ありがとうって言われることした？

　ふざけんなぁぁぁ！！！って罵られることをした覚えしかない。

　義「Aはおれのために怒ってくれたんでしょ？だからね、ありがとう」

　そう言いながらも涙をポロポロと溢し、それを拭っている義勇を見ると罪悪感で押し潰されそうだ。

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