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8:依頼完了 ページ9

グオオォォォン!!

氷龍の咆哮が、体をビリビリと打ち付ける。

振り下ろされる爪を躱しつつ、切込みで一閃。

ゴオォッ!!

蒼炎を纏った刀身が、氷龍の右翼を、深々と切裂く。

グオォ…、

アベ「アテネ、今!!」

アテ「了解!ハァァッ!!」

左翼を斬りつつ、振り返った瞬間に短剣の1つを脳天に

投げつける。

ドシュゥッ

浅く、だが、確実に額に突き刺さる。

両翼を傷付いた氷龍が、遂に地に落ちる。その隙を、

俺は見逃さない。

氷龍の元まで一気に跳躍、頭上に降り立ち、剣を構える。

アベ「これで…トドメだァっ!!」

アテネの突き刺した剣に、更に俺の剣を突き刺す。

頭蓋をかち割り、今度こそ脳天をぶち抜いた。

氷龍が息絶えたのを確認し、ホッと息をつく。

アベ「ふぅ…流石にビビったァァァァ…」

アテ「アベル!怪我は大丈夫?」

心配したアテネが駆け寄ってくる。

アベ「あぁ、重傷はどこにもない。大丈夫だよ」

アテ「よかった…じゃあ、ドラゴン丸々1匹運ぶの

頑張ってね♡」

めちゃくちゃにこやかに猫撫で声で、とんでもなぇことを

言ったアテネに思わず絶句する。

アベ「…え?」

アテネが骸を指さして答える。

アテ「だって、私が炎龍を丸々1匹運ぶならアベルに氷龍運んで

貰わなくちゃ!」

アベ「アッハイ」

そうして俺たちは龍の骸をそれぞれ滑車を付けて運んで

行った。まぁやはり重すぎてめっっっちゃ時間かかったが。

数時間かけ、やっとの思いでホムラの里にたどり着いた。

着いた矢先、待っていたのは、私服と違って巫女服に袖を

通した八雲の姿だった。

八雲「アベル殿!アテネ嬢!よくお戻りで!」

アベ「八雲さん…わざわざ、ここ…に、」


そのまま俺は倒れ込み、視界が暗転した。



…カァン!……カァン!…、

アベ「…ん、」

ゆっくりと身体を起こすと、目の前に、鍛治作業をしている

炎刃の姿があった。

そして隣にはアテネが腰掛けていた。

アテ「あ、目覚めたのね、よかった…」

アベ「俺…確か里に入ってすぐに…」

アテ「うん、倒れちゃって…炎刃さんが作業てる間、ここで

休ませて貰ってたのよ」

アベ「…なるほど。……炎刃さん。報告、遅れましたね。依頼

完了です、」

炎刃が鍛治の手を辞めてこちらに向き直る。

炎刃「あぁ、確かに討伐を確認した、しかも氷龍までオマケに

やってくるとはな!ガハハ!」

アベ「いやぁ、それほどでも…」

炎刃「待ってな、お前らに飛び切りの得物を作ってやる!」

9:龍具/次なる旅路 前編→←7:氷竜襲来



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ミカ(プロフ) - 努力で割となんとかなってる() (12月9日 19時) (レス) id: 2a2f88f14d (このIDを非表示/違反報告)
にゃ - ま、まさかあのアテネの料理が上達するなんて…奇跡か?奇跡でも起きたのか? (12月9日 18時) (レス) @page2 id: abca09e498 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミカ | 作者ホームページ:http://初心者アベアテ  
作成日時:2023年11月29日 23時

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