扉 ページ8
プツッ…ツー…ツー…
電話が切れ、ツー…ツー…っと、音が小さく響く
(な、は…?ど、どんな冗談だよ…さ、さすがにこりゃあ…駄目だ、と、とにかく、落ち着かなきゃ、)
彼は混乱しながらも、なんとか冷静さを保とうとする。しかしそれを無意味なことだと言わんばかりに、扉の崩れる音が周囲に響く。
「なっ……!」
ゴトゴトと、扉の崩壊時に残っていた大小さまざまな欠片が虚しく落ちていく。
その音の中に、一際目立つ音がする。
いや、音じゃない…これは声だ…自分とは違う咳き込む声。
『あ〜あァ…あのぐらいのデカさなら行けると思ったのになぁ…失敗失敗…』
聞こえてくるのは、成人男いや、女性とも取れるような…しかし子供のように無邪気な声だ。
巻き上がる砂埃のせいで姿がハッキリとは見えないが、シルエットで何となく分かる。
「にん…げ…」
立て続けに起こる出来事に俺はまだ理解が追いついていなかった。
電話越しだが分かる、冗談じゃない、おかしくなってしまったたおばさんの声、何故か崩壊する扉、そして聞こえてくる…おそらく…人間の声。
『ん…?君…こんなところで何をしてるの?』
お、俺に喋りかけているのか…?
『駄目じゃないか君みたいな子供が……』
奴は急に黙りこくる。
『…あ?君…人間じゃあ…ない…?』
俺が人間ではないと気づくと同時に、砂埃が晴れその姿が見えてくる。
人間の若いがどれぐらいかは知らないが、老けてはいないであろう男だ。
そしてハッキリと分かる。きっとイカれた野郎だということ。
そして奴が口を開く。
「始めまして、自己紹介は必要かな?」
それに返す余裕なんて俺にはなかった。
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Nキロcm(プロフ) - 今回はちゃんと投稿したよ!短いけどね!! (5月10日 23時) (レス) id: cbcb95102a (このIDを非表示/違反報告)
Nキロcm(プロフ) - 危うくじゃねえよ完全に載せちゃったじゃねえか (5月10日 23時) (レス) id: cbcb95102a (このIDを非表示/違反報告)
Nキロcm(プロフ) - あぶねぇ危うく未完成の話を載せるとこだった… (5月10日 22時) (レス) id: cbcb95102a (このIDを非表示/違反報告)
Nキロcm(プロフ) - 近いうちに投稿しま〜す (5月9日 22時) (レス) id: cbcb95102a (このIDを非表示/違反報告)
Nキロcm(プロフ) - 何も思いつきません (3月8日 18時) (レス) id: cbcb95102a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Nキロcm | 作成日時:2023年5月27日 18時