87話 ページ3
『沢？』
｢そ、みんなが暑い暑い言うから裏山の沢に行って涼もうって｣
珍しくカルマとは別で登校した私を待ち受けていたのはそんな言葉だった。
頑張ってあの坂登って疲れた後にまた移動って……
『めんっどくさ……』
渋々水着を体操着の下に着て準備をし、カルマの背中に乗った。
｢ちょっと待って何してるの｣
『運んで』
｢いや近いんだから自分で歩きなよ｣
『はーやーくー』
｢チッ。今度アイスね｣
『おっけーい』
文句を言いながらもカルマはちゃんと私を乗せて足場の悪い裏山を移動する。
……最近イチャついてないしこれくらい許して欲しいものだ。
同居し始めてからずっと一緒にいるせいか恋人、というより家族として扱われている気がしてならない。
それが心地好くもあり、同時に寂しくもある。
これだけ長く付き合っているのにキスは片手で数えられる程度。
それ以上なんてそんな雰囲気にすらならない。
『はぁ……』
｢人の上でため息つかないでくんない？｣
『だってさぁ……プールだ！！』
小さな沢だと思い移動したらそこにあったのはプール。
それは私の悩みを吹き飛ばした。
『入ろ！！早く！！』
｢いやまだ先生話してんじゃん｣
誰よりも早く体操着を脱ぎ、飛び込もうとした私の腕を掴んで止めたカルマは呆れ返っている。
ま、そんなの無駄だけどね。
私の腕を掴んでいる体操着のままのカルマの腕をとってそのまま背負い投げ〜！
びっくりしてるみんなを他所に私も飛び込んだ。
殺せんせーに注意された気もしなくはないが、みんなが勢い良く飛び込む音でかき消された。
だけどそんな中で何故か愛しい人の声はよく聞こえるのだ。
｢A……｣
『テヘペロ』
｢殺す｣
『やっべ私死ぬ』
いつの間にかビショビショに濡れた体操着を脱ぎ捨てていたカルマは鬼のような形相で泳いで追いかけてくる。
『まって私泳ぐの苦手なんだけど！！』
｢はははは。知ってる｣
『うわああああん！！メグうううう！！』
｢全く……何してるのよ……｣
涙目で近くにいたメグに助けを求めるとスイスイと魚のように泳いで私とカルマの間に入ってくれた。
私はすぐにメグの後ろに隠れ、チラッとカルマを見る。
｢っ……｣
すると顔を真っ赤にしてどっかに行ってしまったカルマ。
もしかして怒った……？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 603人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「暗殺教室」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まっちゃ - 機種が違いますが、まっちゃです。まず、お返事ありがとうございます！ まだ更新できていないようですが、大丈夫ですか？無理しないでね！ (2019年7月24日 22時) (
レス) id: eeb9744d1e (このIDを非表示/違反報告)
おつきみ(プロフ) - まっちゃさん» 色々あってなかなか更新できずにいます……ごめんなさい（ ; ; ） (2018年10月14日 22時) (レス) id: ce04243faf (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ - おぅ……更新停止か……頑張ってね！(°▽°) (2018年10月14日 21時) (レス) id: 0b754f4338 (このIDを非表示/違反報告)
おつきみ(プロフ) - 雫さん» ありがとうございます！頑張ります！！ (2018年7月21日 14時) (レス) id: 46882e5172 (このIDを非表示/違反報告)
雫 - 面白いです！すごくハマってしまいました(笑)更新、頑張ってください!!応援してます＼(*⌒0⌒)ｂ♪ (2018年7月17日 14時) (携帯から) (レス) id: f468c46c0f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
