この人ただの元カレです【降谷零】 (ページ19)

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18 . 可哀想 . ページ19

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side 霧島 A

目が覚めて退院するまでは１ヶ月ほどだった。私は放置駐車違反をしている運転手に掛け合って逆ギレされ肩を押されたことによりバランスを崩して倒れたと思えば起きた時には病院。

意識不明の重体だったため目が覚めたのはそれから1週間ほどが経っていたそう。起きてナースコールを押せば直ぐに看護師が来てとてもびっくりされたのを覚えてる。

轢かれたことにより右足・右手は骨折。出血の量もやばかった様だが直ぐに通報された事によりなんとかなったそう。轢かれた後に飛ばされていたらその衝撃で頭を打ち死んでいたと言われた時はゾッとした。

案外あっという間だった１ヶ月。その間同じ交通部交通執行課の由美ちゃんがめっちゃ謝りに来た事、その由美ちゃんの親友であり刑事の美和子ちゃんも来てくれ面白い刑事話なんてものを聞いたり。

その他にも同期の班長もお見舞いに来てくれた。そして風見さんも。

でも…"降谷"は来てくれなかった。

忙しいのはずっと分かっている。でも事故にあったのに、1度も来てくれないのは何か違う気がした。毎日来てくれるって信じて待っていたのに、退院する今日も顔を見ていないのだから。

病室まで迎えに来て、家まで送ってくれると言ってくれたのは風見さんだった。彼は私の事なんてどうでも良くて他の女とでも遊んでるのではないかと思うほどに。

『忙しいのに、こんな事させてしまって申し訳ないです』

裕也「気にしないでください」

一応骨折は治ったもののまだ足がふらつくため松葉杖をついていた為ものを持つことは出来なかったので貰ったお菓子や物を詰めた袋を持ってもらっていた。その上家まで車で送ってくれるなんて。

『でも本当に家まで送って貰っちゃっていいんですか…？タクシー拾って帰りますよ？』

裕也「いつもお世話になっているのでこれくらいさせてください。」

『そうですか… 』

と病院の入口を出て久しぶりに立って外の空気を吸った。建物の中にいるのはつまらないと感じた。やはり外に出て活動する警察が私には向いているのだろうと感じた。

そして駐車場を松葉杖をついて歩いてる時

『ｯ…"降谷" 』

私の前に現れたのは1番見たくない人だった。

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