シンメ ページ27
入所歴12年のさくらと7年の俺。
グループを組むまでは関わる機会なんてほとんどなくて。
でもダンスも歌も演技も全てのレベルが高くて1人ずば抜けた才能を持つさくらは年下、ということを置いといても俺の憧れやった。
「佐野くん、ですか？」
「ぁ、はい！」
「桜庭琉生って言います、えーっと…よろしくお願いします？」
「こ、こちらこそ。」
人見知りのさくらは俺と話す時も緊張からなんか一向に目を合わさんくてそそくさと退散して行ったのを今でも覚えてる。
「佐野くん。」
「晶哉くん。」
グループを組んで半年ぐらい経った頃さくらからの呼び方が晶哉くん、に変わった。
どうやら佐野くんだと距離ありすぎって誠也くん辺りに言われたらしい。
「晶哉くん、ここちょっと合わせてくれへん？」
「良いですよ。」
後輩のような先輩のような、友達のような、曖昧な関係。
「さくらくん。」
「ん？」
「…いや、やっぱなんでもない。」
越えようと思っても越えられない境界線がもどかしい、もっと彼のことを知りたいのに。
伸ばされた手は行先を失って静かに降ろされるだけやった。
＊
それから数ヶ月くらい経った頃。
「すみませんっ、遅れました！」
その頃のさくらはJr.としては異例なくらい映画やドラマや舞台に引っ張りだこで大阪と東京を行き来しながら学校行ったりレッスン行ったりして俺らともタイミングが合わへんと話せる時間もないってくらいばたばたしててん。
その日も東京で朝早くから撮影があってそれが終わってから大阪でレッスン。
明らかにその顔には疲労が滲んでた。
「琉生、移動場所違う。」
「さく。ターンのとこワンテンポ早いわ。」
まぁもちろんさくら以外のメンバーも各々仕事やら学校やらで疲れてるわけで。
誰が悪いとかじゃないねんけどさくらの連発するミスが取っ掛りになって部屋の雰囲気はピリついて音楽とシューズの擦れる音が響くだけやった。
「……ごめん、ちょっと出てくる。」
「さくらく、」
「晶哉。」
どこか少し泣きそうな顔で出ていくさくらを引き止めようと声をかけたけどそれも小島くんの声によって止められた。
「今は、行かん方がいい。」
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ぽむ(プロフ) - こちらこそ余計なお世話を申し訳ございません🙇琉生くんが猫に嫉妬したりする話可愛かったです！これからも更新楽しみに待ってます！ (5月10日 21時) (
レス) id: 7e6c597a49 (このIDを非表示/違反報告)
i(プロフ) - ぽむさん» コメントありがとうございます🙇🏻紛らわしくしてしまって申し訳ないです。設定変更しておきます😭 (5月10日 17時) (レス) id: c771cdb231 (このIDを非表示/違反報告)
ぽむ(プロフ) - 初コメントです。琉生くん可愛くて楽しみに読んでいます。ときどき、iさんの小説が更新されていないときに更新通知が来るのですが、もしかして新しい小説の更新がないときは「更新を通知しない」みたいな設定もできるみたいです〜 (5月10日 14時) (レス) id: 7e6c597a49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：i | 作成日時：2023年3月15日 17時
